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俺姫番外SS 「スキヤキ」

 14, 2010 18:06
「えーっ!二人とも出かけるの?」大地は不満そうな声を上げた。
「仕方ないんだよ、今日は監督が急用でいないからって、代理頼まれたんだから」
野球部の監督代理で今日は部の面倒を見なくてはならないと、海が言った。
「俺は前から言ってたよな?打ち合わせがあるから、もしかして帰れないかもしれないって」

「うう・・・いいよ、二人とも勝手に行けばいいじゃん」
子供のように駄々を捏ねても仕方ないのは判っているけど、何故か一人になるのが時々不安になってしまう大地だった。
二人が自分を大事にしてくれ、父の了承も取り付けてくれているのに、
それでも時々心に穴が開く。

「じゃあな大地、多分そのまま飲み会になると思うから遅くなる」
「俺も行くよ、冷蔵庫にチンすれば食べれる物が沢山入っているから、それとプリン食べ過ぎないように」
「・・・ガキじゃないんだから・・・早く行けよ」
駄々を捏ねたわりには、何とも思ってない振りで二人を追い出すように見送った。

二人の足音がエレベーターに吸い込まれると、一人持て余しながら
「さーて何するかな?」と呟いてみた。
一人になるのはイヤだ・・・置いていかれそうでイヤだった。
母親の事は解決しているのに、トラウマのように割り切れない思いは
大地の心の底に残っていた。

「渋谷でも行くかな・・・」
服でも小物でもブラブラ見て歩いたら時間が潰せるかもしれない。
そう思いながら出かける準備をして、のんびりと部屋を出た。
相変わらず休日の渋谷は人がいっぱいだ。
大地のように若い男が一人でブラブラしているのは少なかった。
皆恋人や友達と一緒に楽しそうに語りながら歩いている。
最近は声を掛けてくる男をさり気なく断るのも上手くなった。
「両親があそこで待ってるから」と適当に店を指すと変な勧誘は大概は引いた。
下手に友達と待ち合わせって言っても「じゃ友達も一緒に」って事になるから、その手は止めた。

目的も無く歩き回るのも2時間が限界だ。
『ハンバーガーでも食べて帰ろう・・』
別に家の近くのショップに寄っても良かったのだけど、歩き回って少し疲れた。
大地がトレイにハンバーガーと飲み物のセットを乗せて席を探したが、
結構混んでいて座る所がない。
端っこに一人で席に座っている後姿を見つけて相席をする事にした。

「ここ空いてますか?」まだ中学生くらいの少年は下を向いたまま「どうぞ」と答えた。
トレイをテーブルに置いた大地の顔を見上げる。
「あ・・」「あっ」殆ど同時に声が上がった。
だけど大地は素知らぬ振りして、ハンバーガーの包みを開いてぱくっと咥えた。
飲み込みにくいからコーラで流し込むようにして食べている。

大地が半分ほど食べた時に真正面の少年が声を掛けてきた。
「あんた・・・誰?」年上に使う言葉ではない事に眉を顰めてから
「誰って・・関係ないだろ?」
「前に一度会ったよね?」「覚えてない」大地は惚けて答えた。
「僕は覚えてるよ・・・あの日から母さんが変だ」
「・・・・そっちの家庭の事情を俺なんかに言っても仕方ないだろう」

大地の言葉を無視するように少年は話続けた。
「あの日の帰りもぼぉっとしてた・・・夜台所の隅で泣いてた」
そして母親が泣いている姿をそれから何度か見た事がある。
「だから、そんな事俺には関係ないから、君が泣かせてるんじゃないの?」
大地はバクバクする胸を押さえるようにキツイ言葉を投げかけた。
「・・僕は母さんを大事にしてる」

『そっか・・・ママ大事にされてるんだ・・・・』
「あんた僕と似てるよね?誰?」
その少年は自分と似てるこの男と会ってから母の様子がおかしい事に気付いている。
「似てるヤツは世の中に3人は居るって言うからな・・・」
誤魔化すように大地がコーラに手を伸ばして飲むと、丁度その少年の携帯がメールを受信したらしい。

大地に突っかかるのを中断してそのメールを確認していた顔が少し綻んだ。
「スキヤキだって?」小さく呟いた言葉を大地は聞き逃さなかった。
残りのコーラを一気に飲み干し、ハンバーガーを半分残したトレイを持ち上げ
「じゃ失礼するよ」そう少年に声を掛けると、逃げるように店の外に出た。
『別に逃げる事ないじゃん・・・悪い事してないのに』
ひとりで自分自身に言い訳しながら駅に向かって急ぎ足で歩いた。

大地は垣間見た母の今の生活が穏やかであると思った。
多分さっきのメールは『今夜スキヤキだから早く帰って来なさい』的なメールだったのだろう。
そして母の変化を見逃さないで心配する息子・・・

『この街は嫌いだ・・・』来る度に大地を拒否するように傷付ける。

最寄の駅に降り立った大地は初めて呼吸が出来たような気がした。
そしてマンションに帰る途中にあるスーパーに何気なく足を向けた。
大地が買い物カゴに考えもしないで放り込んでいったのはスキヤキの材料だった。
買い物の荷物が多くなりそうな献立の時には、買出しに大地も引っ張り出されるから、
無意識にでも材料は揃えられた。
レジで会計すると、財布の中身は殆ど消えてしまった。

マンションの部屋に着き、暫くは放心したようにソファに凭れかかっていた大地だったが、
思いを吹っ切るように台所に行き野菜を洗い出した。
「これ、どこからが中身でどこが葉っぱなんだよ?」
白菜すら憎らしく思えてくる、半分は葉っぱと判断してシンクに放った。
「えっと・・・十字にするには?」
空の椎茸はいつも真ん中が手裏剣のように十字になっているのを思い出して包丁を持った。
真っ直ぐ上から包丁を入れ十字に切り込みを入れた。
「出来た!」喜んで椎茸を手に持つと、十字どころでは無い・・ただ4等分になっただけだった。

ま、いいか・・と心で呟きながら、エノキ茸も上半分を切り残りはシンクに投げる。
「こ・・これって・・・何処で切ればいいんだ?」
次の挑戦はシラタキだった。アク抜きもせずに適当に切ってザルに移したら
まるでマカロニに程度の長さになっていた。
一生懸命挑戦するのに、結果は全部散々のような気がして大地は包丁を置いた。

ふいに涙が零れて来る・・・
「俺ってひとりじゃ何も出来ないんだな・・・」
零れて来る涙を手の甲で拭いてからソファに横になった。
『・・・寂しい』
空にも海にも埋められない小さな黒い点が時々膨れ上がって大地の心を犯す。
『・・・寂しい』あと何時間ひとりで居ればいいんだろう?
そう思いながらも大地は闇の中に吸い込まれて行った。


『あ・・・・いい匂い』次に目覚めた時最初に思った事だ。
ソファに横たわった体には毛布が掛けられていた。
そのままの状態で上半身だけ起こして周りを見回した。

「おっ、起きたか?」海が嬉しそうな顔で話しかけてくる。
「あ・・もう朝?」自分はあのまま朝まで眠ってしまったのかと思った。
「何寝ぼけた事言ってんだ?まだ夜の7時だよ」海の言葉に
「・・だって飲み会に行くから遅くなるって・・・」
海はここに居るのに、キッチンで物音がしている。
「空・・・・?」
そう言葉に出した時にキッチンから「大地!何で白菜半分捨ててるんだ!」
と空の怒りの声が飛び込んで来た。

「ふたりとも遅いって・・・」
夢かもしれない・・と思いながら大地が声に出した。
「何となく、大地が泣いているような気がしてな・・・」
ちょっと照れたように海が言って、涙の痕の付いた頬を舐めた。
「あ・・っガキじゃあるまいし、泣くかよ・・・」
「ふぅ~ん?」意味ありげに笑う海から顔を逸らした。

「ほらー、二人ともスキヤキの準備出来たぞ」空の声に大地はソファから飛び降りた。
「スキヤキ~」
子供のようにはしゃぐ大地に空と海は顔を見合わせて笑った。
「ほら大地、責任持って食べろよ」
「やだ、俺、手裏剣の椎茸がいい!」
鍋の中には四つ切になった椎茸と空が切り込みを入れた手裏剣の椎茸が仲良く並んで
入っていた。

『・・僕は母さんを大事にしてる』自分を兄と知らない弟の声が聞こえる。


「俺、お前らを大事にするからな」突然の大地の宣言に空も海も驚いた顔をしたが
「はいはい、せいぜい大事にして下さい」空がおどけて答え
「大事にしてもらおうかな・・今夜」海が意味深に答える。

「美味い!」手裏剣の椎茸は空の味付けになっている。
『俺が知っているスキヤキは空たちの母の味であり、空の味なんだ・・・』
「何か材料多くない?」ふと大地が気付いて聞いてみた。
「ああ、何となくスキヤキ食べたがっている気がしたから材料俺も買って来てた」
「・・うん、ありがとう空」
「お・俺大地がプリン食べたがっているような気がしてプリン買ってきた!」
「ばーか、それはいつもの事だ」
大地と空に同時にツッコミを入れられた海が肩を大袈裟に竦めた。

『うちのスキヤキは美味しいよママ・・・』




大地が母と再会した話は「俺様な姫とふたりの侍 7」です。


バナーに文字入れを(沢山の数あります)して下さったpu様が一番好きだとおしゃる
「俺姫」の番外をお礼の気持ちで書きました^^
久しぶりの俺姫だったのですが・・・
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。



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木崎海(きざきかい)は自分の部屋のベッドに寝転がり、
昨夜大地から貰ったクリスマスプレゼントを眺めにやにやしていた。
1枚の封筒・・それだけが大地が二人に贈ったクリスマスプレゼントだった。

「ごめん、だってどうしてもあのコート欲しかったんだもん」
プレゼントを買う予定の金で自分のコートを買った大地はそう言い訳した。
空からは革の財布と、海からはブーツを貰っておきながら、
大地が用意したのは幼稚園児なみの物だった。

「はあ?何だよこれ!風呂掃除券?」
封筒の中からは5枚の手作りチケットが出てきて、海は呆れて少し大きな声を出してしまった。
「怒らないでよ・・・気持ちこめてるんだから」
空も海もマジ呆れながら、封筒の中身を確認していた。

空のチケットは「買い物行きます券」2枚と「部屋の掃除します券」2枚
海には「風呂掃除券」2枚と空と同じく「部屋の掃除します券」2枚
そして最後の1枚は2人とも1枚づつ「何でも言う事聞きます券」が入っていたのだ。

家の中の事は空がメインで取り仕切っているが、実際は分担制になっていた。
風呂掃除も交代だし、もし遅くなって代わりに他の者がやっても
必ずそれは自分にも返ってくるわけで、「風呂掃除券」は無条件で掃除をしてもらえるって事で、それはそれで有難かった。
空も同じように思っているだろうが、空の部屋はいつもきちんと片付いていた。
部屋の掃除券など不要に思えるが、空は文句を言わずに「有難う」と受け取っていた。

そして一晩過ぎて、その券を海はじっと見ている。
『何でも言う事を聞くんだよな・・・』きっとこれを作った本人は、
掃除や買い物と同様のことを思いつかずに、こういう何でも代用出来る券にしたのだろう。
「アホな奴」海は言葉に出して大地を笑った。

何でも言う事を聞くというのは・・・つまりそういう事だ、何でもだ。
きっと空も同じ事を考えてるだろう、と海は思った。
いや頭のいい空のことだ自分以上の事に利用するつもりかもしれない。
空がどんな使い方するか見てから使おうかな?と内心計画している海だった。


「空~残ったケーキ食べていい?」
大地の声が台所から聞こえてきたので海もその声に釣られて部屋を出て行った。
すると甘い物が大好きな大地が昨夜食べ切れなかったケーキの箱をもう冷蔵庫から取り出していた。
「紅茶淹れてやろうか?」
「・・・海が優しいと何だか不気味だ・・」
「馬鹿言え俺はいつも優しいから」
「じゃ俺の分も淹れてもらおうかな、俺は珈琲がいいけど」
空も自分の部屋から出てきてちゃっかり大地に便乗している。

結局みんな珈琲に落ち着き、残りのケーキを食べながら夕飯の相談をした。
折角のクリスマスに誰も出かけなかったようだ。
大地の恋人は俺と空なのだから、勝手な行動をしてもらっても心配するだけだから、
こういうイベントの時には一緒に居て欲しい。
ま、空が邪魔だけど・・・でもそれはお互い様だろうと思って受け入れるしかない。
なんたって俺たちは3人で付き合っているんだから・・・

いつか大地がどちらか一人を選ぶ日が来るかもしれない、
もしかしたら2人とも振られて違う奴に走るかもしれない・・・
先の事は誰にも判らないけど俺たちは大地と一緒にずっと居るって決めてたから・・・

「大地、あのプレゼントのチケット使っていいか?」
「うん、いいよ・・・」少し恥ずかしそうに返事をするのは、
あの幼稚園児が贈るような物をあげてしまったという大人としての羞恥だろうと思われた。
「何を?風呂掃除俺やる?」
今日は海の当番の日だ、そう思い出して大地が聞いた。

「いや、風呂掃除は別の日に頼む・・・使うのは別のだ」
「え・・っと、何すればいいの?俺」
「別に何も・・・強いて言えば黙って俺にされてろって事だ」
「え・・・?」
つい空の顔を見ると、空は知らん顔でただニヤケていた。

『くそっ本当は空の使い方を見てから使いたかったのに・・・』
考えてみれば又明日から忘年会の日々・・・海には今夜しかチャンスが無かった。
期間限定じゃないから正月でも良いのだろうけど、実家に帰ったりしているうちに機会を逃しても勿体無い、善は急げ!だ。

「だから今夜は風呂で綺麗にしてこいよ、姫」
「ひ・・・」海が大地の事を姫と呼ぶ時は決まっている。

「ふ・ふざけんなよっ!そんな事に使うんじゃないから・・」
「だって何でも言う事を聞くんだろ?」と嬉しそうな顔の海と
「お前はアホだろう?」という空。
「まさか・・空まで?」空は違うだろうという目で見るが
「俺は・・そうだな年末辺りに使わせてもらおうかな?」
「ウッソ・・・」
まさか二人とも大地の考えと違う事で使うとは思いもよらなかった。

「さて晩飯何にするかな?」惚けた事を言いながら空は立ち上がった。
「俺も風呂掃除~」楽しそうに海も風呂場に消える。
「・・・」ひとり取り残され固まった大地はどうやって逃げ出すか考えていた。

「逃げても無駄だからな」振り返り海が念を押す。
大地はテーブルの上に頬を乗せため息を吐いた。
別に空や海に何かされるのがイヤな訳じゃない・・
いや抱かれるのは好きな方のような気もする。

いつも二人に甘やかされ大地の好きなようしてもらっている。
主導権を海に握られたままの夜が少し怖いような、面倒のような・・・
そしてまた追加で一つため息を吐いた。
空が大地の頭をくしゃくしゃっと撫でて傍を通り過ぎた。

これまで空の優しさと、海の明るさに支えられてきたような気がする。
「だがこれは別問題だっ!」そう言うと大地は立ち上がって風呂掃除をする海の元に行った。
「ねぇ海・・・普通のだよね?」
「え、普通じゃないのがいいのか?」
「ち・違うっ・・・」
「安心しろ、普通のじゃないから」
そう言うと海は邪魔だと言って大地を風呂の外に押しやった。
「ええーーっ!海ぃ・・・」

風呂掃除を終えて海が扉を開けると、大地がマットの上で体育座りしていた。
「おっ、まだ居たのか?」
「だって・・」
「大丈夫だって、俺が姫のいやがる事したか?」
そうだけど・・・姫って呼ぶ辺りがもう戦闘モードなのだ・・


――――そしてその夜海のベッドの上で神妙な面持ちで座る大地がいた。
「大地・・・何か緊張するな・・初めての夜みたいだな」
「馬鹿海・・そんな事言ったら俺だって緊張するだろ」
実際何されるか判らない大地は胸がドキドキと鳴っていた。

「姫・・」
海に突然手を引かれてベッドに仰向けに倒れ込んだ。
覆い被さるように、それでも大地に体重をかけずに海が大地に顔を近づけてきた。
「あ・・海」海の行為は言葉とは裏腹にいつも丁寧なのだ。
優しく唇を舐められた後ゆっくりと舌が忍び込んでくるのだ。
体育会系の逞しい体躯からは想像できないような繊細な動きをする舌に大地はいつも翻弄されてしまう。

そんな海に1枚1枚と衣服が剥ぎ取られ、大地は素肌を海の前に晒した。
「あん・・海くすぐったい」
大地の小さな尖りが海の唇の中で存在を大きくしていく。
「あぁぁっ」
「姫はここを甘く噛まれるのが好きだなぁ」
傷つけないように歯を立てられ、それだけで大地は息があがってしまう。
かりっと噛まれる度にビクンと体が撓ってしまうのは大地にも止められない事だった。

「海、いやだそこばっかり・・・あん・・」
大地が弱いのを知っていて、海は噛んだり吸ったりと時間をかけている。
唇と指で堪能した後、その体は下へ向かって下がり始めた。
「姫、どうして欲しい?」
大地のふるふると震えながら先走りを零すペニスに、息が掛かるほど近くに来ていてそんな事を聞いてくる。

「あぁぁ・・海・・意地悪だ・・」
「腰が動いてるぞ」楽しそうな声に大地は自分で手を伸ばそうとした。
触ってくれないのなら自分で触るしかない・・・
「駄目だ、触ったらその手を縛るぞ」海に脅かされ大地はその手を引っ込めた。

海は手を添える事なく舌を尖らせ、大地の小さな穴に捩じ込もうとした。
「やぁ―っそれヤダッ」
「俺調べたんだぞ、ここも気持ちいいはずだから・・」
「やだ・・」

「なあここにカテーテル入れていい?」
「えっ?何カテーテルって」
大地がそう聞くと、海はごそごそっと何かを取り出した、見ると細長いゴム状の棒みたいな物だった。
用途が判らない大地は固まったまま、「え・・何それ?」と呟いた。
「これを姫の尿道に入れたい」
「イヤだ馬鹿!ふざけるなっ!そんなの入れたら痛いに決まってる」
大地は恐ろしくなって一気に立ち上がった物も萎えてしまっている。

「じゃこれは?」
次に取り出したのはくねった変な形のものだった。
「な・なんだよ・・それっ?」大地は後ずさりしながら又聞いた。
「これはエネマグラって言って前立腺を刺激するやつだ」
偉そうに説明する海に空いた口が塞がらない・・・

「何でそんな変な物ばっかり持ってるんだよっ?!」
「あ、まだあるぞ・・・」
そう言って海は男根の形の性具やらローターやらを取り出した。
「し・信じられない・・この変態海!お前なんか嫌いだ」
そう言うとさっき脱がされたばかりの衣服を身に着けた。
「おい、姫約束が違うよ・・・」
ちょっとばかりやり過ぎたかな?と思いながらもどれか一つ位は使わせてもらおうと海が慌てた。

「海とは暫く口を聞くつもりないから」
そう大地は言い捨てると、部屋から逃げ出した。
自分の部屋に戻り鍵を掛け海が追ってこれないようにした。

「海の馬鹿っ」
海が持っていた大量の性具に自分をそういう目だけで見ているのか・・と悲しくなる大地だった。
そして大地に逃げられ呆然とする海の部屋を空が開けて入ってきた。
「お前馬鹿じゃん、もっと上手くやらないと逃げられるの当たり前じゃないか」
空も呆れたように言った。
「だって、大地を早く気持ち良くさせてやりたかったんだよ・・・」
全くもって不器用な海に空も同情してしまうが、やっぱ海はアホだと思った。

そして空はその足で大地の部屋をノックした。
「空だけど、入れてくれないか?」
「・・・・」暫くすると中から鍵を開ける音がして大地が顔を覗かせた。
「ちょっといい?」
「空ぁ~海が・・・酷いんだ、俺の事そう言う目でしか見てない」
空には何故か甘えられる大地なのだ。
「そんな事ないぞ、海は大地の事しか考えてないよ、ただ不器用なだけだから」

大地の目が潤んでいる・・・だけどそれは泣いただけじゃない事は空には判っていた。
「今日はもう寝ろよ、寝るまで一緒にいてやるから」
「う・うん・・・空・・」何となく大地も煮え切らない態度だ。
「中途半端なんだろ?」
「うん・・・・」さすがに恥ずかしそうな顔で大地は答える。
「海に悪いから手だけな」そう言うと空は大地のベッドに潜り込んだ。

結局空に手と口でイカさせてもらい幸せそうに眠る大地を見て
『どんだけこいつに甘いんだろう?』と自身呆れてしまう空だった。
空もさっき大地を怒らせてしまった海もとどのつまりは大地の幸せしか考えていないのだ。
大地が幸せならば自分らも幸せだし、これは小さい時からの習性のようなものだった。
大地が泣くと二人とも辛かった。

もう自分はあの頃の子供じゃない、一緒に泣いてやるだけの子供の頃はとうの昔に卒業したのだ。
今は手を差し伸べる事も背中を押す事も覚えた、そして時には叱咤する事さえも・・・

「ううん・・・そらぁ・・かいぃ・・」
口元を緩め幸せそうな寝言に空も笑みが零れる。

「大地寝たのか?」そっとドアが開き海が顔を覗かせた。
「ああ、今そっちに連れて行くからベッド用意して」小さな声で海に言った。
この家で3人で寝れるようなベッドは海のベッドだけだ。
何となく今夜は3人で寝たい気分だった。
朝目覚めて大地は怒るかもしれないが・・・
いや大地の事だ何事も無かったように甘えてくるだろう。

そして大地を真ん中に大地に抱きつくように3人で眠りについた。
海は『あのチケット約束履行されなかったんだから、まだ有効だよな・・』
空は『さて、海のような失敗をしないように上手く使わせてもらうぞ・・』
二人は腹の中でそんな事を考えながらも、いつしか大地と同じように深い眠りに落ちて行った。


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すみません、4つめです。
予定が大幅に狂ってしまってますが、あと一つ・・・
まだ私のクリスマスは終わっていません^^;

遅くなって本当に申し訳ないです!


そして更に、コメントのお返事遅くなってしまってます、
これを書き上げたらもうこんな時間で・・・
少し寝てから・・・・すみません、よろしくお願いします。

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