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鳴海君と僕 1

 27, 2011 01:48
■食後にちょっと横になっていて、目が覚めたら完全に日付が変わっていました。
すみません、通常更新はこれから準備します。
取り急ぎ、最近一人称の練習で書いた物ですが、時間稼ぎの為にアップします^^;■






 僕はぼんやりと前に座る同級生の背中を見ていた。
広い男の背中が、窮屈そうに並んで座っている。
その中のひとつの背中が揺れ立ち上り、僕の方に近づいて来るのを目の端に入れても、なおぼんやりしていた。
「おい、委員長」僕の柔らかい頬を指でつんと突いて声を掛ける声は、いつもこの時間になると聞こえてくる声だった。

「購買行ったら俺のジュースも買って来て」そう言いながら僕の机の上に100円硬貨を置く。
「はぁ……僕は君のお母さんでも、弟でも無いんですよ。たまには自分で買いに行ったらどうですか?」これも毎日繰り返される会話だ。
「いいじゃん、ついでだろ?じゃ買ったら屋上に持って来て」そう言うと自分は弁当を持って、さっさと教室を出て行ってしまう。机の上に置かれた100玉を見て溜め息を落してから、それをズボンのポケットに仕舞う。

 僕も鞄から弁当を取り出し、それを片手に購買に足を向けた。常に成績トップの僕を使いっ走りにする奴などこのクラスにはいない。あいつだけだ。
僕が委員長をしている理由は多分ふたつ。トップの成績と大人しい性格。自分の事で忙しいクラスメイトは僕ならごねないで委員長を黙ってやるだろうという考えの元に推薦する。

 人付き合いが苦手な僕には友達も少なかった。大人しいというか、とっつきにくい性格のせいだろうと自分を冷静に分析してしまう。付き合いが苦手というか面倒だった。この年頃の男子の話題など興味はない。塾の話や女の話や、女性タレントの話と話題が知れている。そんな話の中に混じる事などバカバカしいと思っていた。

 僕の初恋は、小学3年の時。クラスメイトの青木君だった。そして中学で離れるまでその思いは続いた。中学に入ると今度は違う子を好きになる。その子の名前は伊藤君。そう僕が好きになるのは今まで全部男子なのだ。
僕は中学生の時に、そんな自分を分析し自分が男色家である事を認めた。だがそれを他人に話すつもりもばらすつもりも無い。

 高校に入学して、他の中学から来た鳴海君を見た時に僕の胸が早鐘を打った。体はまるで電気ショックを受けたように痺れている。
 1年の頃から180㎝は越えているだろう体格と、モデルのような顔立ち。だけど体格と同様態度が大きいのが玉に傷。それでも陽気な鳴海君は誰からも好かれクラスの人気者だった。だが生憎とこの学校は男子校、共学に行ったらモテて仕方ないだろうと思うが、共学に行かないでくれた事は僕にとって、とてもラッキーな事だった。
だって自分は男女共学なんて考えた事のない世界だったから。そのために少々ランクを落として家から通学しやすいこの学校を選んだのだから……。

 僕が購買で自分用のコーヒーと鳴海君のイチゴのジュースのパックを買った。
弁当とパックの飲み物を2つ抱え屋上に行った。
「どうして友達と一緒に弁当食べないのですか?」弁当も広げずに寝転んでいた鳴海君にイチゴジュースを渡しながら聞いてみた。
「俺だって一人になりたい時間ってのがあるんだよ」
不機嫌そうに鳴海君はそう言うが、それならどうして僕と一緒に毎日のように弁当を食べるのかが分からない。

 屋上でふたり並んで弁当を食べているからといっても、話が盛り上がる訳ではなかった。お互いに黙々と箸を動かすだけだった。
「美味いなぁ、やっぱブリッ☆パックはイチゴだな」ピンクのパッケージを愛しそうに眺めながら、これもまた毎日聞かされる台詞だ。
「女みたい」ぼそっと僕が呟くと「残念ながら俺は男だ」と呟き返された。

 その言葉に心臓がドキンと音を立てる。まさか僕の気持ちを知っているんじゃないかと疑ってしまうような台詞を鳴海君は時々言うから、少々不安になってしまうが、それには動じないように「そうだね、何処からみてもムサイ男ですね」と言い返す。多分今日の会話はこれだけだろう、と内心思いながら僕もストローでコーヒーを吸う。

「なぁそれ美味い?」
「え……?」まさか会話が続くとは思わなかったので、驚いた声が出てしまった。
「へっ俺、隙のない委員長の不意打ちした?」さも嬉しそうな顔をして鳴海君がそう言って笑った。
「別に……ちょっとぼんやりしていたから、驚いただけです。美味しいです」と最後に聞かれた事の答えを付け足した。
「一口頂戴」僕が返事をする前にパックを持った手ごと鳴海君に持って行かれた。
「あっ、汚いですよ」僕の口を付けたストローに鳴海君が吸い付く姿を見て、顔が熱くなってしまった。

「なんだ、甘いじゃん。委員長が大人のふりして飲んでいるから、もっと苦いのかと思っていた」
「当たり前です、これ珈琲牛乳みたいなものだし……購買で上等な珈琲なんて売っているわけないでしょう?」顔の火照りを隠すために、わざと素っ気ない言い方をした。

 自由になった手で、何でもないふりをして同じストローを口に含んだ。その時に飲んだコーヒーは、いつもよりも少し甘かった気がする。

 そして僕たちは、毎日同じ事を繰り返しながら3年生になった。季節ごとに座る場所も変わる、夏休み前の暑い時期は丁度陽が当たらない裏の場所へと移動する。この場所は煙草を吸い出した鳴海君には、良い場所だった。人目に付かない日陰の壁に二人で凭れ掛かっていた。
「未成年者の喫煙は法律違反です」鳴海君が煙草を取り出す度に僕は注意をする。
「相変わらずお堅いな……だけど俺はもう成人も同じさ、やる事もやってるしな」
「やる事って何ですか?」僕が最初に頭に浮かんだのは、選挙だったが直ぐに流石にそれこそ未成年には選挙権が送られて来ない事を知っているので否定した。
「セックスだよ」勘の悪い僕を笑うように鳴海君は、そう言った。同じセの付く言葉でもその意味はだいぶ違う事に失笑してしまう。

 それを僕の余裕と思ったのか慌てたように鳴海君が、僕の腕を取って顔を覗き込んだ。
「委員長……セックスした事あるのか?」
「し、失礼な……」
 そんな事をするはずが無いという言葉は恥ずかしくて呑み込んだが、鳴海君は僕の腕を乱暴に振り払うとすくっと立ち上って、煙草を足で踏み消して階段に通じる扉を乱暴に閉めて出て行った。
一体何が鳴海君の気に障ったか分からなかったが、鳴海君が捨てて行った吸い殻を放置するわけにもいかずに、僕は鳴海君を追いかける事をせずに吸い殻を拾い、自分が飲んだコーヒーパックを開きその中に吸い殻を捨てた。

「ふう……、鳴海君セックスしているんだ……」
 3年になって以前に増して格好良くなった鳴海君を、近所の女子高生が見逃すはずが無かった。いつも誰かに告白されたり、呼び出されたりしている。
それを横目で見ながら通り過ぎた事も数えきれなかった。
僕は自慢じゃないが、高校生になって一度も告白などされた事がなかった。告白されても受ける事など出来ないが、少しでも鳴海君に近づきたいと思った。
きっと、1年からずっと一緒に昼飯を食べている事を周りの男子は不思議に思っているだろう。何よりも自分が一番そう思っている。どうして鳴海君は毎日僕と一緒にお昼を過ごすのだろうと。

「何か疲れちゃった……」ずっと思い続けている鳴海君に告白すら出来ないのだ。そんな事をしたらもう、この場所で鳴海君と昼休みを過ごす事など二度とないだろう。そう思うと口喧しい委員長でいた方がいいと思う。
「疲れちゃった……」もう一度呟いて、眼鏡を外し床に置いた。裸眼でも通用するけど高校に入学した時に兄に言われ眼鏡を掛けるようになった。
「眼鏡を掛けた方が賢く見えるぞ」と兄に言われ、何となくそのままになっていた。兄が選んでくれたフレームはお洒落でも何でも無い、黒縁の地味な物だった。

 そして僕は生まれて初めて5時限目の授業をさぼった。
体がだるくて、たまにはいいか?とつい自分に甘くなったのは、きっと鳴海君があんな去り方をしたせいだと自分を慰める。

 眠るつもりは無かったが、眠っていたらしい……だが目覚めたのは同じ場所では無かった。
(ここは?)体には薄い布団が掛けられ、身じろぐと聞き慣れない声が掛けられた。
「目が覚めた?」
「あの……僕はどうしてここに?」
「ちょっと熱があるみたいだね、屋上で倒れていたのを君のクラスメイトが大騒ぎで連れて来たんだよ」
「クラスメイト?」
「『大変だ、救急車呼んでくれ』って」
「……それはご迷惑をお掛けしました」誰だか分からないけど、僕はただ寝ていただけなのだけど、と思っていると保険医の手が僕の額にそっと触れた。
「う……ん?まだ少し熱っぽいね、もう少しで6限目も終わるから今日はもう帰った方がいい」自覚症状は無かったが、あのだるさは発熱だったのかといつもと違う自分を納得した。

「それにしても驚いたよ」と保険医が思い出し笑いをしている。
「え……?」何が可笑しいのかと僕は首を傾げた。
「いやぁ、君を担ぎ込んだ……えっと鳴海君だったっけ?あの格好いい子」
「な、鳴海君が……」そう言えばあんな屋上の死角に寝ている僕を気づくのは、鳴海君しかいないかもしれないと、改めて思った。
「鳴海君がどうかしましたか?」内心ドキドキしていたが、冷静を装って保険医に聞いてみた。
「君は熱で赤い顔をしているのに、彼の方は真っ青で今にも君が死にそうに騒いでいたからね」そう言うと僕に近づいて揶揄するように、僕の顔を覗き込んだ。
「眼鏡が無いと印象が違うね」保険医の指が僕の頬に触れた。


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鳴海君と僕 2

 28, 2011 00:05
 その時、がらっと乱暴に保健室のドアが開いた。
「先生、俺も腹が痛いんだけど」とても元気そうな顔の鳴海君が入って来たが、保険医が僕のベッドに腰を掛けているのを見た途端に、すごく不機嫌そうな顔になり僕を睨み付けて来た。
迷惑を掛けた僕を怒っているのだろうか。

 怒ったままの顔でずかずかと僕に近づいた鳴海君は、保険医を押しのけるように「大丈夫か?」と聞いて来た。
「うん……運んで来てくれてありがとう」と僕はまた普通に言った。
どうも嬉しかった感情を伝えるのが下手みたいで、きっと僕の顔も困ったような顔になっていたかもしれない。

「王子様が来たからどうするかい?」
「お、王子様って……」どうして保険医がそんな言い方をするのか僕は分からなかった。
「だってさ、おひ……」言いかけた保険医の口を鳴海君が両手で塞いでいた。言葉を遮られた保険医は肩をすくめ「腹は?」と鳴海君に聞いていた。ああ、そういえば腹が痛いと鳴海君はさっき言っていた。
「鳴海君、お腹大丈夫ですか?」僕もそう聞いてみた。お腹が痛いのならこのベッドを譲って僕は教室に戻ろうと、体を半分起しかけた。
 だけど鳴海君は「もう少し寝ていろよ」と僕の肩をそっと押す。決して強い力じゃなかったのに僕は、その力に負けたようにまたベッドに沈んでしまった。

鳴海君を見上げた時に、その胸ポケットに黒縁の眼鏡を見つけた。そして初めて自分が眼鏡をかけていない事に気づき、鳴海君の顔を見た。
「お前、伊達眼鏡だったのか?」きっと僕の眼鏡をかけてみたのかもしれない。
「まぁ……」まさか兄に半強制的に掛けさせられているとは言えずに、曖昧に頷いた。そんな僕をじっと見つめていた鳴海君が「やっぱ掛けていた方がいい」と言って眼鏡を僕に手渡してくれた。
 どうせ僕は眼鏡を掛けていないと引き締まらないんだと思ったが、口には出せずにしらっとそれを受け取った。

「鳴海君、お腹大丈夫ですか?」思い出したように聞いてみた。
そんな僕を一瞬困ったような顔で見た鳴海君を、ぼくは首を傾げて見返した。
「治ったけど、まだ調子悪い」ぶっきらぼうに言う鳴海君に本当はまだ調子が悪いのかなと少し心配になった。
「先生、鳴海君に薬を出してあげて下さい」僕のお願いに保険医の先生も、当の鳴海君も驚いた顔をした。
(えっ?何か悪い事を言ったのかな?)などと思うが、具合悪いのなら薬を飲むべきだと僕は思う。鳴海君が体調を崩したら僕も心配だ。

「いや、少し横になっていたら治るから」と鳴海君は僕の言葉に逆らうように、薬を飲む事を拒否した。
本人がいいというものを他人の僕がこれ以上勧めるわけに行かないので、僕も黙り目を瞑った。
「具合悪いのか?」心配そうな鳴海君の声に「大丈夫です」とだけ答え目を開けなかった。
「えっと私は、ちょっと職員室に用事があるから席を外すが、委員長は大丈夫か?」
「はい、僕は大丈夫です。でももう少し横になっていていいですか?」大丈夫なのに此処に留まるのが悪くて一応保険医に許可を求めた。
「いいよ、まだ横になっていなさい。ふたりとも……15分くらいは戻れないから」と言い残して保健室を出て行った。

(僕にはちゃんと、秋川潤也という名前があるのに、保険医までが委員長と呼ぶ……)なんだか小さなショックを受けてしまった。僕は委員長と呼ばれるのがあまり好きでは無かった。できたら鳴海君にも名前で呼んで欲しいと思うが、それは贅沢なのかもしれないと思って諦めていた。

「潤也……」僕の心の声が聞こえたように、鳴海君が僕の名前を優しく呼んだ。いや優しくと感じたのは僕の願望だったのかもしれないが……
「何か?」照れくささを隠す為につい無感情な言葉が出てきてしまった。
「いや……本当に大丈夫かな?って思って」いつも強気の鳴海君が何だかオドオドしていて可笑しかったので、つい口だけで笑ってしまった。
「どれ?」という声と一緒に、おでこに鳴海君のおでこを感じて、僕は微熱が高熱に変わるのではないかと心配する程に、顔に熱が集まってしまった。

 だけど、鳴海君のおでこはなかなか離れない。これ以上くっ付かれたら僕は憤死しそうだったから、さりげなく体の向きを変えて横を向いた。名残惜しそうに鳴海君の熱が離れてしまう。 いや名残惜しいと思っていたのは僕だけかもしれないけど……
きっと鳴海君は誰にでも優しいのだろう、だから他校の女子にもモテるのだ。
でもこれ以上モテモテになって欲しくはなかった、ライバルが増えるだけだ。と思った途端に自分はそのライバルの中には入れない事を思い出し、ちょっと泣きたくなってしまった。
 鼻がツンと痛い。ふんと鼻をすすって目を開けると、目の前に鳴海君の顔がある。僕は驚いて瞬きするのも忘れその端正な顔を見詰めた。

「潤也……俺以外の前で眼鏡外すなよ」僕はそんな事を言われても、その意味が判らずに見詰め続けた。
「目瞑って」もう一度鳴海君の優しい声がして、それに釣られるように僕は目を閉じた。
眼鏡を外される感覚に、目を開けたくなるが何だか怖くて開けられない。そんな僕の唇に何かが触れた。驚いて目を開けると至近距離の鳴海君と目が合った。鳴海君が睨むように僕を見るから又慌てて目をぎゅっと瞑った。
 すると鳴海君の唇がもっと強く押しつけられ、僕の唇に吸い付いて来た。

 心臓がばくばくと大きな音をたて騒ぎ出した。僕は今、鳴海君とキスをしている……
どうしてキスをされたのか、まだ分からないが合わさった唇の熱さだけは分かった。
「いや?」茫然としていると、いつの間にか離れた唇がそんな言葉を吐いた。
「……」嫌じゃない、ずっとしたかったと言葉に出せばどうなるのだろうか。
「ごめん……」黙りこくった僕が、次に聞いた言葉は本当は聞きたくない言葉だったと、それすら僕は言えなかった。

 その次の日から、昼休み前に鳴海君が僕の机の上に100円硬貨を置く事はなかった。
今まで、ずっと屋上で食べていた弁当を僕は、教室の自分の机で食べる。鳴海君の姿は教室には見当たらなかった。もしかしたら僕じゃない誰かが鳴海君の好きなイチゴのジュースを買いに走ったのかもしれない。

「委員長がひとりだなんて、珍しいなぁ」そう言いながら何人かのクラスメイトが寄って来た。
「何、鳴海と喧嘩でもしたの?」
「いっつも鳴海に独り占めされてたからな……」

 口ぐちに好き勝手な事を言われながら僕は、3人に机を囲まれちょっとびびった。
「僕は、鳴海君と喧嘩もしていませんし、そ、その独り占めって何ですか?」
僕が人気者の鳴海君を独り占めしていたと言われるのなら分かるが、その逆は全くおかしい。
3人の顔が一瞬驚いたが、すぐ元の顔に戻って皆弁当を持って僕の周りに集まって来た。
「たまには、俺らと一緒に食おうよ、委員長」
「ええ、いいですよ」僕はクラスメイトの申し出を断る理由などないから、快く頷いた。

 いつもは鳴海君と一緒といえど、あまり多くを語らずに黙々と食べるだけだったから、くだらない会話でも聞いていると少し楽しかった。
「委員長、目は凄く悪いの?」突然の質問に、僕は真面目に答える。
「いえ、裸眼でもあまり変わりない程度です」
「へえ……勉強し過ぎで悪くなったのかと思っていた」
「委員長、ちょっと眼鏡外してみてよ」
そうお願いされたが、僕は鳴海君に自分以外の奴の前で外すなと言われていた事を思い出し、躊躇った。

 強張った僕に構う事なく、正面に座っていた前田君が僕の眼鏡を外そうとしている。
「駄目です、締まらない顔になるから外さないで下さい」
「いいじゃん、いいじゃん」
僕の抵抗も虚しく、眼鏡は簡単に取り上げられてしまった。
「委員長……なんかすげぇ」横に座る井上君が呆れた声を上げた。
「ほら、格好悪いから早く返して下さい」だけど前田君は、簡単に返してはくれない。

 眼鏡が無くても不自由はしないが、やっぱり委員長という立場上おバカな顔を晒したくは無かった。
 そんなやり取りをしていると、離れた席にいた他のクラスメイトも寄って来て、僕の間抜けな顔を覗きに来ている。あっと言う間に人だかりが出来てしまい、僕は伸ばした手を諦めて机の上に置いた。
 もうみんなに見られてしまったのなら仕方ない。来学期は委員長にはなれないかもしれないと思ったが、それならそれで肩の荷が下りるものだ、と考えていた。

 ガラッと教室の後ろの扉が乱暴に開く音がしたが、僕の周りには人が多くて誰が入って来たのか確認する事は出来なかった。
 だけど、僕を囲んでいた連中が、後ろを振り返りひとり、またひとりと僕の傍から離れて行く。眼鏡を持ったままだった前田君が「ごめん、悪かった」と僕に眼鏡を差し出した。それを受け取りながら「別に構いません、気が済みましたか?」と笑顔で答えた。
 別に委員長に拘っていた訳では無かったけど、眼鏡を外した顔のせいでなれなかったというのも、ちょっと残念な話のような気がしていた。

 蜘蛛の子を散らしたように、僕の周りに人がいなくなった。俯き弁当を包んでいた僕の視線の端に誰かの体が見えた。僕は包む途中の手を乱暴に引き上げられ、驚いてその主を見上げた。
「あ、鳴海君……」しまった、外すなと言われていたのに……鳴海君の超不機嫌な顔にちょっと怖くなったが、考えてみれば僕の顔だ、誰に見せようと構わないんじゃないかと思った。

「どうかしましたか?」
「ちょっと来いよ」
 鳴海君に引っ張られ教室を出て行く僕を、誰も助けてはくれなかった。



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■御礼SSのつもりで書いていたのですが、昨日時間が無くて上げてしまいました。
気持は御礼です。いつも応援して下さってありがとうございます。

男色化⇒男色家 ご指摘ありがとうございました^^;
自分で笑ってしまいましたwww
一体どんなんだ?>男色化

コメントのお返事が相変わらず滞っております。ごめんなさい。
メールや、リコメ気長に待って下されば幸いです。

仕事復帰をこの季節にしたのを後悔しています。
通勤だけで毎日バテバテです^^;

鳴海君と僕 3

 29, 2011 00:00
■3編で終わる予定が、まだ終わっていません^^;■ 



 僕は鳴海君に引っ張られ屋上のいつもの席に連れて来られた。
僕の足元には、まだ綺麗に包まれた弁当が置いてある。鳴海君がまだ弁当を食べていない事に驚いた。食べる前は彼のお母さんの手で綺麗にリボン結びされた包みも、鳴海君が結ぶと縦結びになっているから、広げたか直ぐに判る。

「鳴海君、お昼まだなんでしょう?早く食べないともう昼休みは終わってしまいますよ?」僕は親切心でそう教えてあげた。
「どうして、皆の前で眼鏡外したんだよ。外すなって言わなかったっけ?」
「ええ……外したというか、外されてしまいましたが、僕の顔です。別に鳴海君に駄目と言われても?僕の自由なのでは?」
「うるさいっ、駄目なものは駄目なんだよ」
「だからどうして駄目なんでしょう?」
「うるさいっ!」さっきよりも強い声で言われ僕も、これ以上は言えなくなってしまった。

 どうして鳴海君がこんな些細な事で怒っているのか僕は分からない。
それよりも気になるのは、壁に押し付けられた僕に覆いかぶさるように立っている鳴海君の位置で……目の前に少し屈んだ鳴海君の顔がある事だった。
「な、鳴海君……顔が近いですよ」
これ以上睨まれていたら、僕は恥ずかしくて顔が赤くなってしまうだろうと思った。いや何だか顔が熱いからもう赤くなっているのだと思う。

「潤也……」
「え……?」
近かった顔が、もっと近づく。
(あぁそれ以上近づいたら僕は目を瞑ってしまいそう……)
僕の瞼が下がったのは、決してニュートンの法則で無いのは分かる。でも瞼が落ちてしまう。

 唇に吐息がかかったと思ったら、次には鳴海君の唇らしきものが付けられた。それは2度目のキスだった。この前よりも長く唇が重なっていた。
僕は抵抗するべきかとも思ったけど、何だか気持ちいいからされるままに、じっと息を詰めていた。
(く、苦しい……)僕の肺に新鮮な空気が入ってこずに、苦しくて鳴海君の胸を押し退けた。
「はぁ……鳴海君……苦しいです」
「どうして鼻で呼吸しないんだ?」
鳴海君の言葉に自分が人間だった事を思い出した。鼻で呼吸をすれば問題無いと学習した。

「覚えました。今度は大丈夫だと思います」僕は学習の結果を鳴海君に報告する。
「あ……」僕の言葉が終わる前に再び鳴海君の顔が近くに来た。
僕の法則により僕の瞼も再び落ちた。
時々鳴海君は、僕に新鮮な空気を吸わせる為に唇を離してくれるが、僕はもう鼻で呼吸が出来るから大丈夫さとは言わなかった。
唇が痺れるくらいに、何度も唇を吸われ僕の息も上がってしまった。でも僕は、鳴海君が僕にキスをする理由をまだ聞いていない。

「どうして?」やっと、鳴海君の行動の意味を問うてみた。
「理由がなきゃ駄目なのかよ?」拗ねたように鳴海君がそう言った。
「やはり理由は必要だと思います」
(例えば僕をからかっているとか、今日デートするのでその予行練習とか……)色々あるはずだろうと思う。

「潤也はどうして?」
「そ、それは僕の法則です」
(あぁ鳴海君は僕の法則を知らないだろうな……)
「はい?」
やはり知らなかった鳴海君が、語尾を上げながら聞いて来た。
「僕は、鳴海君の顔が近づくと瞼が重くなるんです」
「俺じゃなければ、どうなるんだよ?」
「他の人じゃ無理です。多分僕の法則は発動しません」
「俺限定?」鳴海君の顔が急に嬉しそうに輝いた。
「はい、鳴海君限定です」
「それって、俺の事好きって事?」
「はい、好きですけど……それは僕の事情ですので鳴海君は気にしないで下さい」

「俺の事情はどうでもいいのかよ?」嬉しそうな顔がまた拗ねたような顔に戻った。
「鳴海君にも事情があるのですか?」さっき理由を聞いた時にはきちんと答えてくれなかったから、無駄だろうと思ったが聞いてみた。

「はぁ……」鳴海君は深い溜め息を吐きながら僕の肩を押して、床に座らせた。
鳴海君の手の重さに負けて僕は、コンクリの床に体育座りをした。
「本当にお前って鈍いっつうか、ズレているっていうか……面倒臭い奴だな」
「僕には鳴海君の方が何を考えているのか判りません」
「俺?!俺みたいに分かりやすい奴なんかいないだろう?」
「そうでしょうか?」僕には鳴海君が理解できないままだった。

「もう一回キスしたら分かるんじゃない?」鳴海君の提案に僕はこくんと頷いた。
今度のキスはさっきのキスと違って、僕の口の中に鳴海君の舌が入って来た。凄く驚いたけどその舌が口の中を色々舐め回して、それが何だか気持ち良くて僕は鳴海君の動きを止める事をしなかった。上顎の裏を舌で舐められた時に体がぞわりと粟立ってしまった。
「あぁ……」僕は合わさった唇の隙間から女子みたいな、甘い声を漏らしてしまい恥かしくて顔が真っ赤になってしまった。

 午後の授業の始まりを告げるチャイムが鳴っていたけど、今の状況が気持ち良くて鳴海君の背中に腕を回した。体育座りしていた筈の脚はいつの間にか開かれ鳴海君と向い合せになり、鳴海君の腿の上に跨いで座っていた。
気持ち良いキスに僕の性器が元気になっているのを、鳴海君に知られなければいいと思っていた。

「勃った?」
それなのに鳴海君はからかうように僕の顔を覗き込み聞いて来た。
「仕方ありません、自然現象です」僕だって一応男だ、刺激を与えられれば反応をしてしまう。
「俺も勃っちゃった、どう責任とってくれる?」
「ぼ、僕に責任があるのですか?」濡れ衣のような気がするが……
「そう、潤也の責任だ。だけど潤也が勃ったのは俺のせいだから、俺はちゃんと責任とるぞ?」
鳴海君がこんなに責任感がある人だとは、僕は少し見限っていたのかもしれない。でも時々掃除をさぼるのはどう注意すればいいのだろう?
そんな事を考えていたら、鳴海君の手が僕のズボンのベルトをがちゃがちゃ外そうとしていた。
「な、何をしているのですか?」僕にしてはかなり慌てた声だったと思う。

「だから、責任とってもっと気持ち良くしてやろうと思って」
僕が好きになるのは、いつも男子だったけど今でこんなに積極的な人はいなかった。もしかして鳴海君も僕の事が好きなのだろうか?と新たな疑問が湧いて来た。
問題の答えを知るのが大好きな僕が、生まれて初めてその答えを知るのが怖いと思った。



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鳴海君と僕 4

 30, 2011 00:00
「何をぼっとしているんだよ」置いて行かれたような顔で鳴海君がそう唸った。
「あ、うん……鳴海君は僕の事を好きなのかなって思って。はっ!」
聞くのは止めようと思っていたのに、つい言葉にしてしまい僕は慌てた。
「あ、いいんです。別にそんな事はどうでも……」
「はあ?どうでもいい?」鳴海君の端正な顔で睨まれると逆に怖い。両刃の剣と同じだ。
「気にしないで下さい。時には答えを求めない事も必要です」

「全く面倒臭い奴……」呆れたような鳴海君の声に、僕の心も体も項垂れてしまう。怒っているのに、鳴海君の手は僕のベルトを外し、ファスナーを下ろす。
「あ……ヤメテ下さい」
「うるさい!」
「……はい、ごめんなさい」不機嫌な鳴海君に僕はつい謝ってしまう。情けない自分が悲しくなって来たが、今は落ち込んでいる事態ではないと気づいた。鳴海君の手が下着のゴムを潜って、直接僕の性器に触れて来たのだ。

「あ……ん」
生まれて初めて自分以外の体温に触れた僕の性器は、途端に元気になってしまう。
「潤也……気持ちいいか?」
「あん……」自分でも信じられない声に逆上せそうだった。
「触りにくいな、ちょっとズボン脱いで」それは提案では無く命令に近いものだった。
「こんな所でズボン脱げません。僕は変態じゃありません」
流石に僕も何時誰が来るか分からない屋上で、ズボンなど脱ぐ勇気は無かった。第一午後の授業はとっくに始まっているのだ、誰かが探しに来たらどうするんだろうと急に不安になって来た。

「鳴海君、授業に出ましょう」
「ここ大きくしたままか?」
「う……」いつのまにか、鳴海君の手で僕の性器は最大限まで育てられていた。他人の手の気持ち良さに、僕の理性など言葉だけでしかなかった。
「出しちゃえよ」
「え……何を?」
「精液」その言葉を嬉しそうな顔で言う鳴海君の顔を、僕はじっと見つめた。
僕の頭はその言葉を理解するのに、かなりの時間を要した。

「えっ、えっ?ちょっと何を言っているんですかっ!」
僕が高校生になって初めてと思えるような、強い口調で鳴海君に食って掛かった。
「へえ?潤也でも慌てる事があるんだ?」鳴海君も意外そうな顔で僕を見詰めた。
「だって……人前で出すなんて……信じられない」
「俺の前だからいいじゃん?」鳴海君の顔は、とっても嬉しそうだった。

その嬉しそうな顔のまま、鳴海君は手だけを動かしている。
「やあっ、鳴海君……手は……」
「気持ちいいだろう?」
「はい……いや違って……あん」もう自分が何を言おうとしているのか、どうなっているのか全く分からなくなった。頭の中が気持ちいい一色に冒されている。

「潤也、可愛いな。眼鏡外してくれよ」僕は蕩けるような思考の中、鳴海君のお願いを叶える為に眼鏡を外した。
「マジ可愛い」
自分の事を可愛いと言うのは兄だけかと思っていたが、まさか鳴海君も同じ言葉を言ってくれるなんて信じられなかった。兄の言う可愛いはきっと兄弟だからだと思う。鳴海君の可愛いもそれに近いものだろうか?
「僕は鳴海君の弟じゃないですよ?」
「はあ?俺は自分の弟のなんか扱かないぞ、お前んちはそうなのか?」
時々兄は僕をからかうように、一緒に風呂に入ろうと誘うけど、こんな事をしようとは言わない。

「いいから、もう黙れよ……」鳴海君の熱い息が耳に掛かり、僕は背中がぞくっとした。
鳴海君は僕の脇を両手で持ち上げ、僕の体の向きを変えた。僕の背中は鳴海君の胸に押し付けられる。体格の良い鳴海君に後ろから抱っこされて何だか安心していた。

改めて鳴海君は後ろから手を回して僕の性器を握り込んだ。鳴海君の手の動きが早くなり、僕を追い詰める。このまま行ったら僕はここで射精してしまう。
(困った……でも気持ちいい……どうしよう?)いつもの理性は全く働いておらずに、焦燥感だけが募った。
「あ……ん」もう我慢も限界に近づいて来たようだった。
「な、鳴海君……もう出ちゃうよ、どうするの?」
「いいから出しちゃえよ」
「あぁん、あぁ出る……出ちゃう……鳴海くーん」
あまりの気持ち良さに我慢出来なかった僕は、乾いたコンクリの上に白濁を飛ばした。

心臓はバクバク鳴り、腰はがくがく揺れている。
「はぁ……っ」肩で息を吐きながら僕は呼吸を整えた。
「潤也……」甘い囁きと一緒に鳴海君の唇が重なり、僕は薄く唇を開けて鳴海君の唇と舌を受け入れた。
「鳴海君……大好き」キスの合間に僕はとうとう愛の告白をしてしまった。
「知っている」
「え……?」
「さっき、好きって言ったじゃん?」
「そうでした?」いつ告白をしたのだろうと首を傾げるが、自分はまだ鳴海君から何も聞いていない。だんだんと答えを聞いてもいいような気がしてきた。

「鳴海君も言って下さい」
「うん?聞きたい?」
「……いえ、やっぱり止めておきます」
(予行練習と言われるのは、やっぱり嫌だ……)そう思ってふと首を傾げた。どうして予行練習で僕の精液を飛ばすのだろうか?
「鳴海君、あの……僕は男子ですよ?」
「知っているよ、さっき俺ちゃんと触ったもん。どうして俺がこんな事をしたのかまだ分からないの?」
「はい……」僕は頭が悪い方じゃないと思う。ここにいる鳴海君よりはずっといい。それだけは自信を持って言えた。

「それより潤也……俺も達きたいんだけど?」
さっきから僕のお尻の下で固くなっている鳴海君の性器は、僕もずっと気になっていた。
「分かりました……僕もさっき気持ち良くしてもらったから、僕も頑張ります。さあズボンを脱いで下さい」僕は珍しく男らしく覚悟を決めた。
「色気ないなぁ」でもせっかくの覚悟を鳴海君は溜め息で返す。
(あれ?何か違ったのかな?)
「潤也……口でしてって言ったら怒る?」
僕は鳴海君の言っている意味が判らずに、一生懸命に考えた。


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鳴海君と僕 5

 31, 2011 00:05
「口でってどうやるんですか?」
結局僕は答えが見つけられずに、鳴海君に聞いてみた。
「えっと……その……」鳴海君にしては、珍しく口籠りはっきり言わないので、僕はもう一度聞いた。
「ねえ、口ってこの口?」言いながら自分の口を少し大き目に開けて聞いてみた。
「うっ!」どうしてここで鳴海君が唸るのか分からないが、どうやら正解らしい。
でも僕はそれのやり方が全く分からない。見た事も聞いた事も無かった。
 僕は基本、エッチな本もビデオも見ない。時々兄の部屋にその手の雑誌が無造作に投げてあるのは知っていたけど、それを見る事はなかった。

「どうしたらいいんでしょうか?」
「えっと……俺のナニを潤也のその口や舌で舐めて欲しいと言うか……」
「お、美味しいんですか?」流石の僕もちょっとたじろいだ。普通口に入れる物では無い事くらいは僕だって知っている。

「じゃ、俺が潤也に先にしたら、真似してやってくれる?」
「ああ、お手本を見せてくれるんですか?それなら僕も出来ると思います」
これでも僕は委員長だ、成績だってトップなのだ、お手本があれば上手に出来る自信はあった。

「潤也、立って壁に背中付けて」鳴海君の命令に僕は、立ち上りコンクリの壁にもたれ掛かった。その拍子にベルトを緩めていた僕のズボンが、床に落ちて鈍い音を立てた。
 鳴海君が僕の前に回り込み、膝立ちして僕の性器に手を添えた。
「あん……」さっき射精したのに、鳴海君に触れられると気持ち良くて声が出てしまう。
「潤也、感度良過ぎ」
「だって、そういうお年頃ですから……」僕の顔はきっと真っ赤だ。

 鳴海君がさっき手でした事を繰り返した後に、僕の性器をぱくんと咥えた。
「な、鳴海君!!」口ってこういう事だとは頭では分かっていたけど、本当に鳴海君が僕の物を咥えて、本当にびっくりして僕は逃げようとした。
 でも、後ろは壁だし前は鳴海君が固めているし、逃げ道など無かった。
「鳴海くーん……」逃げようとしながらも、僕は気持ち良くて甘えてしまう。
 僕は、5時限目に授業をさぼって他人の手と口の熱さを学んでいた。もしかしたら今の僕にはこっちの課外授業の方がためになるかもしれないと、つい考えてしまった。

 鳴海君は僕の感じる所が分かるのか、唇も舌も手も使ってそこを攻めてくれる。これじゃ僕は直ぐに射精したくなる。
「鳴海君……駄目です。あん……そんなに吸わないで下さい」
僕は恥ずかしいのを我慢するよりも、直ぐに射精しそうなのを我慢しなくてはならなくなった。僕だって男の矜持ってものがある……あん。
「鳴海君、僕気持ち良くてどうしたらいいのか判りません」
そう言う僕の顔を見上げて「ちゃんと勉強してるのかよ?」と鳴海君が言って来た。

「あっ、ごめんなさい。勉強します」僕は肝心な事を忘れていた。
「俺のやる事をちゃんと見ておけよ」鳴海君はもう一度念を押して、また僕の性器を口に含んだ。
(ああ、鳴海君のように上手に出来るだろうか?)僕は少し不安になったけど、僕は委員長だ。成績もトップから落ちた事は無い。と何度も自信を付けようと言い聞かせた。

「やあ―――っ」急に鳴海君の動きが早くなって、僕の性器が嬉しそうに射精しようとしている。
「鳴海くーん、僕……もう出ちゃう、もう少しゆっくりして下さい……」
そうお願いしたのに、鳴海君は僕の先っぽに舌を突っ込み新しい刺激を与えてくれる。
「う……っ駄目……気持ちいい」
ジュバジュバッという音が卑猥な響きで僕の耳に入って来る。
(あん……もうダメ)
「鳴海君、もう駄目そうです、出ちゃうからどいて下さい」
僕は鳴海君の肩を押して必死に頼んでいるのに、鳴海君は僕の性器から口を離そうとしなかった。

「いやあ―――っ。出ちゃう」僕は涙目のまま、二度目の射精をしてしまった。
びくびくっと体と性器が震え、涙が滲む。
でも鳴海君は、僕の最後の雫まで吸い取るようにまだ咥えて離さない。
「鳴海くん……」今頃になって恥かしさで全身が震えて来た。そして僕は鳴海君の口の中に精液を出してしまった事に気づき、慌てた。
「な、鳴海君……それは口にする物ではありませんよ、早く吐いて下さい」僕は今までこんなにオロオロした事は無かった。

「飲んだから」暫くして鳴海君がそう言って僕に笑顔を見せた。
「お、お腹壊しますよ……どうしましょう?病院で胃洗浄してもらいましょう」僕は自分の顔から血の気が引くのが分かった。
「ばーか、タンパク質だろう?」それくらい知らないのかという顔をされ、僕も落ち着いて考えた。胃を洗浄する必要はない事に安堵の溜め息をついた。

「気持ち良かったか?」
「……はい、こんなの生まれて初めてです」
「そうか」満足そうな鳴海君の顔をじっと見た。
「鳴海君は、どうしてこんな事が出来るのですか?」
 僕は、もうこれが予行練習の域はとっくに超えているだろうと察した。
僕なら好きでもない人の性器など舐められない。でも鳴海君のならぱくりと出来る。入学して直ぐに鳴海君の事を好きになって、それは3年になった今でも変わっていない。いや、最初の頃よりももっと好きだ。でも鳴海君は?

 やはり答えを聞きたい。聞いてから鳴海君のをぱくりとしたい。
「鳴海君は僕の事を……どう思っているのですか?」
「はあ?何を今更」そう言いながら鳴海君は自分でベルトを緩め始めた。
「潤也、今度は俺の番だよな?」
鳴海君は、とうとう窮屈な場所から自分の性器を取り出した。
「な、なんて……」僕は、自分の物とは違うサイズに少し後ずさりしてしまった。とてもパクリと簡単に咥えられるようなサイズでは無かった。

「む、無理です。そんな大きいの……」僕の少しふっくらした唇が小刻みに震えている。
「大丈夫、まだ後ろに挿れるなんて言ってないから」
「うしろ?」僕は、また理解出来ない言葉に首を傾げた。


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鳴海君と僕 6

 01, 2011 00:00
「あうっ……」僕は涎を垂らしているであろう自分を恥ずかしく思いながらも、鳴海君の物を頬張り続けていた。その嵩に僕は苦しくて知らないうちに涙が滲んでいた。
「潤也……」でも鳴海君の感極まったような吐息を聞くと、僕も少し嬉しくなってしまう。
「うぐぐっ……」飲み切れない唾液が僕の喉を濡らし、少し気持ち悪かった。だけど鳴海君の指がそれを優しく拭ってくれるので、僕も頑張った。

 僕の時も鳴海君はこんなに苦しかったのだろうか?それなら僕も……と考えるが、何だか鳴海君は余裕があったような気がする。
(もしかして鳴海君は慣れている?)僕は神に誓って初めての行為だ。
「うっ、ぐぐっ……」急に鳴海君が僕の頭を押さえて、腰を振り出した。
(く、苦しい……)僕は言葉が出せないから、鳴海君の腰を叩いてそれを訴えた。

「ご、ごめん……苦しかった?俺、つい夢中になって……マジごめん」少し腰を引いて僕の髪を優しく撫でてくれた。
そして鳴海君の大きなペニスが僕の口から出て行った。僕は鳴海君の前に座ったまま「どうして?」と聞いてしまった
「気持ちいいけど、もう出そうだから」鳴海君が照れくさそうに言った。僕は鳴海君の口の中に出してしまったけど、鳴海君は遠慮しているみたいだ。

「潤也には悪くて出来ないから」こんなに鳴海君が遠慮深い人だったとは僕も知らなかった。
「その代わり……」僕が感心していたら、鳴海君が交換条件を持ち出した。やはり侮れないぞ鳴海君。

「何でしょうか?」
「今度の土日に俺の家の近所で祭りがあるんだけど、一緒に行かないか?夜だけど出られる?」
「祭り」僕は小さい頃は家族で行っていたけど、中学生以降行った事は無かった。とても行きたいと思う。
「それでさ、出来たら土曜日に祭りに行って、その夜は俺ん家に泊まればいいじゃん?」なかなか合理的な提案に僕も興味を持った。
「兄に聞いてみます」
「兄さん?」
「はい、僕の家は両親よりも兄の方が煩いもので……」
「絶対説得しろよな、その兄貴を」
 鳴海君の口調が命令的になり、僕は少し驚いたけど祭りに釣られて頷いた。

「ところで、鳴海君それはどうするんですか?」
 僕は、まだ大きいままの鳴海君のペニスを指さして聞いた。
「手でやる」そう言うと鳴海君は僕にキスを仕掛けて来た。
「あん……」さっきまでペニスを加えていた僕の口の中に、鳴海君の舌が忍び込んで来る。
(キスは好き)僕は、覚えたてのキスに夢中になっていた。
 僕とキスをしながら、鳴海君は自分の手でペニスを擦り、そして僕と同じようにコンクリの床に精液を飛ばしていた。

 何か申し訳ない気分だったが、何故か鳴海君はすこぶる機嫌がいい。

 
 僕たちは身支度を整え、トイレで綺麗に手を洗い、僕はうがいもして6限目の授業に潜り込んだ。2人一緒に戻って来ても、クラスメイトは何も言わない。
 僕は、6限目の教科書を広げて初めて胸がドキドキしてきた。自分のとった行動と行為に今更ながら驚いたが、鳴海君と距離が縮まったようで嬉しかった。
「あっ」僕は、鳴海君がこんな事をした理由をまだ聞いてない事を思い出した。そしてどさくさに紛れて自分は告白をしてしまった。
 それを考えたら、一度落ち着いた心臓がまたドキドキと鳴りだした。



―――その夜。

「駄目だ、お祭りなんて危険だ」
「どうして?クラスメイトと一緒に行くんだから危険じゃないよ」
 兄の反対に僕も普段しない口答えをしている。僕は鳴海君と祭りに行って金魚すくいや、射的をしたいだけなんだ。
「そんなに祭りに行きたいのなら、俺が連れて行ってやる」
「兄さんはいつも忙しいでしょう?僕だってもう高三だよ?」

「そ、その鳴海って奴とどういう関係なんだ?」
「だ、だからクラスメイトだもん」
 本当は兄の質問にドキリとしたが、屋上での事は話したらダメだと僕も考えた。きっと兄に授業をさぼった事は叱られてしまうだろう。

 それから1時間の説得の後、僕はやっと兄に外泊の許可を貰えた。でも鳴海君と同じように交換条件付だった。僕は今日から3日間兄と一緒に風呂に入って、背中を流す約束をさせられた。小さい頃一緒に入って体の洗いっこをしていた僕には、簡単な交換条件で楽勝だと思った。

 僕の家は両親とも働いていた。二人でレストランを経営している。だから夜遅くの帰宅になるから、子供の頃から兄弟仲良く助け合って暮らして来た。6歳も年上の兄はまるで親のように僕を可愛がってくれていた。だから僕は兄の広い背中を一生懸命流している。
「あぁ気持ちいいなぁ」兄の声に僕は子供の頃に戻ったような気分になった。
「じゃ今度は俺が背中流してやるよ」僕は楽勝な交換条件の上に、僕まで背中を流してもらえるなんてラッキーだと思って、兄にスポンジを渡した。

 僕の父は風呂が趣味なので、浴室にはとてもお金を掛けていた。だから大人二人で洗い場に座っていても何ら支障はなかった。
「立って」
「えっ?」戸惑う僕の腕を引いて兄も一緒に立ちあがった。
「全部俺が綺麗にしてやるからな」嬉しそうに兄が言うのを聞いて、きっと兄も子供の頃に戻ったんだろうなと考えていた。

 兄の手が優しく僕の体を洗ってくれる。はらりと僕の腰に巻いたタオルが外された。
「あ、タオル……」僕が取り戻そうと手を伸ばしても、兄はそれを返してくれなかった。大人になった自分の全裸を見られるのは、とても恥ずかしい。
「あんなに小さかった潤也も18か……」まるで親父の台詞だと思うが、僕は黙って頷いた。

「潤也は母さんに似て、色が白いな」僕の胸に泡を擦りながら兄が言っている。
「僕はもう少し逞しくなりたいけどね……」
「いや、潤也は今のままでいいよ」そう言いながら兄の手は僕の性器まで伸びて来た。
「あ、兄さん……そこは自分で」流石にこの年になって、兄にそこを洗ってもらうのは抵抗があった、というか拙い気がして抗った。
「どうして?もう誰かに触らせた?」
「……あん」僕の返事を待たずに兄はぎゅっと握り込んで来た。

「兄さん、そんなに強く握ったら痛いよ」
 僕は本当は、自分ではない手に今日の事を思い出して、また大きくなってしまいそうで恥ずかしかった。


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鳴海君と僕 7

 15, 2011 01:23
「潤也はまだ女の子とエッチな事なんかしてないよな?」
「そ、そんな事していません」
兄は女の子って聞いて来たから僕は嘘は吐いていない。
「本当に?」兄は僕の顔を覗き込むようにして再確認をしてきたので、僕は今度は黙って頷いた。
「そうか……」兄の顔が嬉しそうに綻び、僕はちょっとだけ心が痛かった。
だって僕が好きな人は女の子じゃなくて、同級生の鳴海君なのだ。でもそれを兄に知られる訳にはいかなかった。大好きで尊敬する兄に嫌われたくなかった。

僕はその日からお祭りの前日まで兄の背中を流してやったが、兄はあの日以来僕の体を撫で回す事はしなかった。でも本当はあの夜、僕の性器が少しだけ固くなったのを気づかれていると思うんだ……でもそれは条件反射であって、僕が兄に欲情した訳では無かったと思う。


「委員長~~潤也~~」妙に元気な鳴海君が待ち合わせ場所で手を振って僕を迎えてくれた。
「お招きに預かりまして、ありがとうございます」僕は人として当たり前の礼を述べた。
でも鳴海君はちょっと口を尖らせて他人行儀な挨拶は止めろよと言うが、僕と鳴海君は他人なのだから仕方ないし、鳴海君の地元のお祭りに連れて行ってもらうのだから当たり前なのにと僕も又口を尖らした。

「甚平ですか?」鳴海君は紺地の夏らしい、そして男らしい甚平を着ていた。僕はそんな姿に少し見惚れてしまった。
「潤也も着ようよ、俺の小さい時のを出してあるんだ」
「小さい時のですか……?」そうだ、僕は鳴海君とは15㎝は身長が違うだろうと思う。
「中学生の頃のだよ、一度俺の家に行って荷物も置かないと駄目だろう?」鳴海君は揶揄するように僕の手にあるスポーツバッグを見ていた。
僕は、鳴海君のお宅に迷惑が掛からないように着替えと大き目のタオル、洗面用具などバッグに詰めて来ていた。

「潤也が泊まりに来てくれて嬉しいよ」
「僕の方こそ……」僕は正直言ってかなり緊張していた。鳴海君が僕の事をどう思っているか分からないが、僕は鳴海君が好きなんだ。好きな人の家に泊まれるなんて嬉しい限りだ。僕の一生の思い出になると思っていた。
でも本当は、この前屋上でしたような事をしたいと心の片隅でちょっと思っていた。

鳴海君と並んで少し歩くと鳴海君の家に着いた。僕の家はマンションだけど鳴海君の家は立派な一戸建てだった。玄関のポーチを潜るとあまり広くはないが庭に綺麗な花が咲いていた。
「綺麗な花ですね」僕は思った事を口にした。
「ああ、お袋が庭いじりが好きなんだよ」
僕は、まだ自分の母親をお袋と呼んだ事は無かったが、鳴海君がそう呼ぶと何だか格好いいと思ってしまう。いつか僕も呼んでみたい。でもきっと家族全員に顰蹙を買いそうであった。

「お邪魔します」僕は奥に向かって少し大きな声を掛けた。
「誰もいないよ、両親は旅行に行っているんだ……」鳴海君がバツが悪そうに僕に言う。
「ああ、そうだったんだ。これ手土産なんだけど」僕は兄に持たされた有名な店の羊羹を鳴海君に渡した。
「あ、ありがとう。お袋喜ぶよ」にっこりと笑う鳴海君はやはり素敵だと僕は見惚れてしまった。

「俺の部屋に行こう。甚平もあるし」
「うん。お邪魔します」
僕は脱いだ靴を揃え直して家に上がった。鳴海君の部屋は2階にあるらしい。僕は黙って鳴海君の後に続いた。
僕を迎えに来る前に入れておいたのだろう、クーラーの冷気が火照った体に気持ち良かった。
鳴海君のベッドの上に、きちんと畳んだ甚平が置いてあった。鳴海君が着ていたのにしては新しい。僕の怪訝な顔を見て、鳴海君は中学の頃は殆ど着なかったからと言い訳をする。

「僕が着てもいいんですか?」
「その方が俺は嬉しいんだけど」
「ありがとう」
「甚平の着方知ってる?」
「え?」
浴衣は難しいだろうけど、甚平なら洋服感覚で着れるはずだろうと僕は思って鳴海君の顔を見た。
「甚平や浴衣は下着を着けたら駄目なんだぞ?秀才の潤也でも知らないだろう?」
鳴海君の揶揄するような発言に僕は少しむっとして「その位知っている」と答えってしまった。

「着替えれば?」
「う、うん……」僕は少しおどおどしながら、チェックのシャツのボタンに手を掛けた。
「鳴海君、あっち行っていて」
「どうして?」
「だ、だって……」下着を脱ぐのに鳴海君が近くにいて見ていたら、僕は恥ずかしい事になるかもしれない。そんな姿など見せたくなかった。

「俺と潤也の仲じゃん?恥ずかしがらないで脱げよ」口でそう言いながら、鳴海君は僕のシャツのボタンを勝手に外していく。
シャツを脱がされ、インに着ていたTシャツまで万歳と言われ脱がされる。ちょっと恥ずかしい。

「潤也の乳首って綺麗なピンクだな……」鳴海君のセクハラ発言に僕は顔が熱くなってしまった。
慌てて甚平の上を掴み肩に羽織った。
「潤也……キスしたい。していい?」
「な、何を……」鳴海君の言葉に動揺して、僕は簡単に袖を通せなくなりまごついてしまった。
鳴海君がそんな僕の腕を取った。袖を通すのを助けてくれるのかと思ったら、そのまま後ろ手に絡められた。
そして僕は変な体勢のまま、ベッドに押し倒された。



■こんばんは、kikyouです。
ぼちぼち更新していきます。
「鳴海君と僕」も今回から連番をふることにしました。
自分で何話目か分からなくなってしまいまして……
前後編で終わるはずが、なかなか終わらなくなりました。


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鳴海君と僕 8

 16, 2011 00:00
「あ……鳴海君どうしたの?」
「キスしたいって言っただろう?」少し不機嫌そうに鳴海君が僕の頬に手を触れる。その指先が熱くて僕は『僕の法則』のせいで自然と目を瞑った。
鳴海君とキスをするのは二度目だ。屋上でした時よりも深く重なっているような気がする。
「あん……」鳴海君の指が僕の胸を弄り、僕の乳首を触ったものだから、僕は条件反射のように声を上げた。
「気持いい?」僕の反応に鳴海君がとんでもない事を聞いて来た。男の僕が乳首を触られて気持ちいい筈など無いだろうと思う。

「あん……」鳴海君はせっかちだ……僕が返事をする前に僕の乳首をこりこりと抓るように弄る。今度は条件反射ではない声が漏れた。鳴海君だから許される行為だと鳴海君は気づいているのだろうか?

「潤也可愛い。ここ吸うよ」
「いや……駄目です」鳴海君は意地悪だ。言葉に出された後のほんの僅かな時間で僕は、覚悟を決めなくてはならないんだ。もう少し考える時間を与えて欲しかった。
鳴海君の熱い舌が、僕の小さな乳首に吸い付く。初めての経験に僕は体がビクンと震えてしまうが、イヤでは無かった。
だって、僕は鳴海君が好きなんだもの。鳴海君の望む事なら叶えてやりたいと思うのが普通だと思っている。

そして鳴海君は魔法使いだと思った。
何時の間にか僕は下着とチノパンを脱がされて下半身を剥き出しにされていた。僕は知らないうちに腰を上げて脱がせやすいように協力していたみたいだ。
「じ、甚平を……」僕は甚平のズボンを履こうと手を伸ばしたけど、鳴海君はそれを無視するように僕の腰を抱え込んでいた。

「鳴海君。こんな体勢じゃ甚平を履けません」
「だって潤也……キスと乳首を弄っただけでこうなってるんだろ?甚平なんか履けないから」
僕は自分の性器を見るのが怖かった。きっと半分くらいは元気になっている気がする。

「鳴海君……恥ずかしいですから」一度見られて触られ、その上射精させられた。僕は心の隅で……いや嘘です。心全部で同じ経験をしたいと、して欲しいと思っていた。だけどそれを正直に言う事は恥ずかしい。僕は鳴海君が好きだ、でも鳴海君の気持ちを知らない。

鳴海君の大きな手が僕の性器に触れた。
「あん……」気持ちいい。
「潤也、気持ちいい?」
「はい……」僕は正直者だ。そんな僕に鳴海君は嬉しそうな顔を見せてくれる。
鳴海君がゆっくりと数回手を上下に動かすから、僕は腰が揺れてしまった。気持ち良くて仕方ない。言葉では恥ずかしいから態度で示した、もっとと。

「本当に可愛いな……」そんな僕に鳴海君はまたそんな言葉を投げかける。
そして中途半端だった僕の性器は完全に上を向いて、次の刺激を待っていた。どうやら僕は快感に弱いらしい。
「続けていい?」どうしてそんな事を聞いて来るのだろうか?僕は返事に困ってしまう。
「僕だけ脱いでいて恥ずかしい……鳴海君も脱いで」
あぁ僕は正直者過ぎる。自分で何を言っているのか、自分が思っている以上に僕は動揺していたらしい。

でも、僕の提案に鳴海君は嬉しそうな顔をして甚平の紐を解き、脱ぎ捨てた。逞しい体が僕の意識をまた狂わせる。甚平のズボンのゴムに手を掛けこれも?という顔で僕を見ているから僕は黙って頷いた。鳴海君は甚平のズボンと下着を一気に……え?下着……鳴海君は自分だけ下着を履いていた……。
そして鳴海君の立派な性器が目の前に露わになった。大きいそれは僕のと同じように天を向いていた。

「潤也のその顔、堪らないな……最後まで行くよ?いい?」
最後まで?……僕も射精したかった。
頷いた僕の絡まった上を上手に脱がしてくれた。僕たちは二人全裸のまま見つめ合った。

「あの……鳴海君。鳴海君はどうして僕とこんな事をするんですか?」
「はい?」本当に分からないという顔で僕に問いを返してくる鳴海君の視線を、僕は逸らした。聞かなければ良かったかもしれない……。

僕は鳴海君の立派な体躯と立派な性器にごくりと喉を鳴らした。
「俺のを舐めてくれる?」僕はあまり舐めるのは得意でも好きでも無かったが、鳴海君が望むのならしてもいいと思った。コクンと頷く僕に鳴海君は優しくキスをしてくれた。


―――僕はどうして今、こういう状況にいるのか分からなかった。
とっても奇妙な体勢で僕は鳴海君の性器を口に咥えているのだ。嫌がっても鳴海君は許してくれずに、僕は鳴海君の顔の上に跨ぐようにしている。
僕の顔の前には、鳴海君の性器が……そして鳴海君の顔の前には僕の子供のような性器があるはずだった。僕の物が鳴海君のに比べたら小振りだからだろうか、鳴海君はとても上手に僕に快感を与えてくれる。
僕もぼやぼやしていられないのだけど、鳴海君の舌が気持ち良くてつい作業が疎かになってしまう。

「本当に最後までするぞ?」さっきと同じ言葉を鳴海君は念を押すように繰り返した。
僕だって、とても気持ちいいのだ。このままされたら射精するのは必然だった。
鳴海君も、もう射精したくなったのだろうか?

「やあ―」僕は驚いて大きな声を上げてしまった。だって鳴海君が両手で僕のお尻を広げるようにしているのだもの。
「うわっ!」次に僕は驚いて変な声を出してしまった。な、鳴海君の舌が僕おお尻の周りを舐めている。
あーもしかして鳴海君はセックスした事あるって言っていたけど、あれは見栄を張ったのかなと思ってしまう。だってお尻じゃセックス出来ないもの。

「な、鳴海君……そこは舐める所じゃないですから……」僕は鳴海君に教えてあげた。
「潤也のなら舐められるよ」はぁ……やっぱり鳴海君は知らないんだ。
「な、鳴海くーん、そこ舐めたら汚いですよ。それに……」ぞくぞくしてしまうなんて言えない。
「それに?」それなのに鳴海君は聞き返してくれる。
「いえ……何でも……あん」
「潤也、ここ気持ちいい?」
「変な感じです」
「待ってろよな、直ぐに気持ち良くしてやるから」
「ま、待って下さい……何か勘違いをしているんじゃありませんか?」
でも、鳴海君は何かどろっとした冷たい物を僕のお尻に塗り付けて来た。


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鳴海君と僕 9(完結)

 17, 2011 00:00
「あぁ……」鳴海君が僕の最も恥ずかしい所を見たり触ったりしている事に、何故か僕は興奮してしまっていた。そして鳴海君の口がまた僕の性器を咥えた。だけど指は僕のお尻の入り口(出口?)から離れない。
とうとうぬるぬるする物と一緒に、鳴海君の指が1本僕の中に入って来た。
「ああーん」
「潤也、痛い?」
「いやぁ気持ち悪い、指抜いて……」
「もう少し我慢して……体勢が悪いのかな?」
何か鳴海君は独り言のように呟いて、僕の体を下ろした。
安心したのもつかの間、僕はお尻を高く上げた状態でうつ伏せにされてしまった。
そして鳴海君は僕のお尻の前に座っている。
もう目の前に僕のお尻が……アップで見られている事に僕は足がガクガクと震えて来た。でも顔はとても熱い。

鳴海君の指が再び、僕のお尻の中にゆっくりと入って来る。
「あーん」僕はどうして、こんなに甘えた声を出してしまうのだろう。
「な、鳴海君。どうするつもりですか?」
「だから最後までするって言っただろう?潤也もいいって言ったよな?」
確かに言いました。でも僕は本当の意味が判っていなかった事に気づいても、それを伝える事は出来なかった。だって僕は委員長だし……今更意味が判らなかった、などとは言えないのだ。
自分の言った事には責任を持たないと男が廃る。

「あ……ん」鳴海君の長い指がとうとう付け根まで、僕の中に入ってしまったようだ。中で指をぐるりと回されて、僕は何と表現していいのか分からない感情に苛まれた。表現方法が見つからない事は僕にとって辛い事なのだ。
鳴海君の指は回ったり、出したり入れたりで忙しいみたいだ。中でぐるっと回されると何だか気持ちいい。

僕はずっと鳴海君が好きだったけど、見ているだけで良かったのに……まさかこんな濃厚な関係になるなんて考えもしなかったのだ。
「ああん……」鳴海君が僕の中に指を2本入れようとしている。
「鳴海君2本なんて無理だから……」
「大丈夫、ゆっくり拡げていくから。やっぱ3本は入れて慣らさないとな」
「はい……」何を慣らすのだろうか?知らない事を聞くのは恥ずかしい事では無い。だけど何だか聞くのが怖かった。

「ああん!」鳴海君の指が僕のお尻の中を掻き回している。もう大変だ。
気持いいのと、悪いのと怖いのと恥ずかしいのと……どんだけの感情が入り乱れているのだろうかと思っていた時に、僕は腰が跳ねてしまった。
「ここか。潤也の弱点見つけた」鳴海君が嬉しそうに報告してくれるが、僕の弱点は鳴海君なんだから、知らないでしょう?と言ってやりたい。

でも信じられない程に気持いい。
もう僕の性器は今まで見た事が無いくらいに膨れ上がっていた(僕はそっと首を下げて自分の下半身を腕の間から覗いてビックリしたんだ)
「ああん……鳴海君。僕気持ち良くて変になりそうです」
「変になっちゃえよ、うんと取り乱した委員長を見てみたいよ」
「い、嫌です……クラスメイトの前で取り乱す事など僕には出来ません」
「クラスメイト?」尻上がりの怒ったような声が聞こえた。

「潤也はクラスメイトなら、こんな事出来るんだ?」
「出来ません。こんな恥ずかしい所など誰にも見せられませんから……」
「俺ならいいわけ?」
「な、鳴海君だけです」僕はきっぱりと言い切った。
「ふーん」何だか頼りない言葉だけど、鳴海君の声は嬉しそうだった。

「3本目入れような」僕に同意を求めているのだろうけど、僕の返事など待たないで鳴海君は指を3本に増やした。
「うう……っ」苦しくて僕は呻いた。
「やっぱキツイな……でも3本はクリアしとかないとな」
「……さ、3本が僕のノルマなんですか?」
「はあ?そんな訳ないじゃん」
一体何本の指を僕の中に入れようとしているのだろうか、僕は少し不安になって来た。
「もしかして……5本全部入れるつもりなんですか?」
「それ無理。そのうちな」
そ、そのうち……僕は鳴海君に指を全部入れられてしまうのだろうか?そう思うとかなり不安が募る。

「ああん……あん」鳴海君の指が僕のお尻の中で、ばらばらに動いたり、さっきの気持ち良い場所を擦ったりしていた。とても気持ちいいと伝えた方がいいのだろうか?
「潤也……気持ちいい?」良かった……先に聞いてもらえた。
「気持ちいいです」正直者の僕は素直に答えた。

「そろそろいいかな?」
「ま、まだ射精していません……」僕も鳴海君もまだ射精していないのだ。最後まで行った事にはならないだろうと思った。
「なあ、潤也の中で出していいだろ?」
「僕の中?」僕は動物のような格好をしたまま首を傾げた。
僕が首を傾げているのに、鳴海君は指を抜いて次に何かを押し付けて来た。
それが何か分かるまで、僕はほんの数秒時間を要した。

「だめっ!だめだめだめっ鳴海君間違っている!僕は女子じゃないから」
「はい?」鳴海君の疑問符と共に、僕はお尻に引き裂かれるような痛みを感じた。
「いたーいっ!だめぇ鳴海君。そこ違うから……」僕は痛さのあまりに滲んだ涙を拭く事も出来ずに鳴海君に必死に呼びかけた。

「まだ先っぽだけだから、潤也力抜いてよ」
「無理っ」
でも僕の抵抗も虚しく、鳴海君の大きな性器の先が僕の中に埋められた。
「あああーん。駄目ぇ……違うよ鳴海くーん」僕は痛みと闘いながらも鳴海君に呼びかける。
「違ってないよ、俺は潤也が好きだから……潤也と繋がりたいんだよ」
「……え?僕を好き?」
「全く、どれだけ鈍いのか?」
鳴海君が僕を好き?心の中で何度も繰り返した。
(僕を好き……?)

「あああーーーっ」腰を強く掴まれた僕は鳴海君の性器で、まるで磔されたように杭を打たれた。鳴海君の大きい物が僕のお尻の中いっぱいに入っている。
そして鳴海君の大きな手が僕の背中を労わるように撫でてくれる。
「あぁ……」僕の口からは安堵の息が漏れた。

「潤也好きだよ」
鳴海君の囁くような声に、僕の心は満たされていく。だけどお尻の中は痛くて涙が出てくるのは止められなかった。
「ごめん潤也、もう少し我慢して」
僕はどうしていいか分からずに、ただこくこくと頷いた。その間も鳴海君の手は僕の背中を撫で回す。
「もしかして、これがセックスというものですか?」僕は今の状況を考えるとそうなのではないかと思って聞いてみた。
「そうだよ、男同士でもセックス出来るから。潤也はこれから先も俺と、俺だけとセックスするんだぞ」
(そうか……男同士でもちゃんと出来るんだ)僕は鳴海君を満足させてあげられるのなら、何度でもしてもいいとさえ思い始めていた。

「鳴海君……気持ちいいですか?」
「ああ……潤也を抱いていると思ったら嬉しくて暴れ出したい気分だよ」
「そ、それは困ります」この状態で暴れられたら僕は間違いなく壊れてしまう。
「動くぞ、いいか?」
「えっ……困ります」僕は鳴海君がどういうふうに暴れるのか予想もつかないで、怯えて抗った。

「あぁ……っ」ずるりと引き抜かれる鳴海君の性器を逃さないように、僕の体は自然と鳴海君に絡み付く。その感覚が自分でも判ってまた甘い喘ぎ声が漏れた。
ゆっくりと鳴海君が、性器を抜いたり入れたりしている。さっきまで痛かったのが少しずつ変な感覚にすり替わってくるようだった。
「あぁ……」僕の理性は何処に行ったのだろうか?もう頭では抑えられない声が零れ続けていた。

「潤也の中、すげぇ気持ちいい」
「ああん鳴海君……」僕も気持良くなって来た。
「潤也こっちを向いて」僕はそう言われたが逆に顔を枕に埋めて隠した。恥ずかしくて鳴海君の顔が見られないのだ。
そうしたら、鳴海君は僕の脚を持ち上げ体をぐるっと回した。僕の目の前に鳴海君の端正な顔がある。鳴海君が優しく微笑んだから僕も釣られて微笑んだ。

「ずっと、潤也が好きだった。これで俺だけの潤也だ」
何だか感動したように鳴海君が言った。黙って聞いていると高校入試の時に僕を見染めたらしい。ちょっと恥ずかしいけど嬉しい。できたらもう少し早く僕に告白してくれれば良かったのに、僕だってずっと好きだったんだ。

「気づいていないのは潤也だけだぞ」揶揄するように鳴海君がそう言う。クラスの皆はとっくに鳴海君の気持ちに気づいていたらしい。というか自分から言いふらしたらしい。どうしてそんな事を言ったのか不思議だ。鳴海君は他校の女子にモテモテなのに、それはそれで勿体無いと思うけど、女子に取られるのもイヤだ。

「僕とセックスした事、クラスの皆に言うの?」少し不安になって聞くと、鳴海君は少し怒ったような顔で言うわけないと言い捨てる。
「潤也を見て喘ぐ時の顔を想像されたくないからな」
「あ、喘ぐって……」それは僕も困る。だってどんな顔をしてあんな甘えた声を出すのか自分でも知らないし、見たいとは思わないんだ。きっと変な顔をしているんだろう。

「次は潤也がイク時の顔を見せてくれよ」
そう言うと、鳴海君は腰を激しく動かし始めた。もう僕はその動きに翻弄されて、乱れて……そして自分の腹の上に白濁を撒き散らした。
生まれて初めてのセックスの相手が鳴海君で良かった、と思ったら又涙が出て来て止まらない。
「大丈夫か?」
「うん、嬉しくて。僕はずっと片思いだと思っていたから鳴海君とセックス出来て嬉しい」
「潤也好きだよ、ずっと俺と付き合うよな?」
「へっ?付き合うの?」
男子同士付き合ってもいいのだろうか?僕はそのうち鳴海君ファンの女子から不幸の手紙を貰うかもしれないと思った。それでも僕も鳴海君とずっとこうしていられるのなら構わない。
「はい。宜しくお願いします」僕はきちんと正座して鳴海君に頭を下げたかったが、未だ鳴海君の性器は大きいまま僕のお尻の中に入っているから無理だった。

「もう一回、俺の事も好きって言えよ」
「鳴海君が好き。とても好きです」
僕の新たな告白に鳴海君は優しく、そして深いキスをしてくれた。そのキスが長くてあまりに気持ちいいから……僕の性器はまた元気になってしまっていた……恥ずかしい。
でも鳴海君はそんな僕を嬉しそうに眺めている。大きくなっても問題は無いらしくて良かった。

それから僕は2回射精してしまった。鳴海君は1回なのに……


鳴海君はお祭りの屋台で買った綿菓子を僕に渡しながら、腰は痛くないかと聞いてくれる。僕は嘘を言うのは嫌いだったけど、そっと首を横に振った。
「帰ったらもう一回しような」鳴海君の悪い誘いに僕は首まで真っ赤にして頷いた。
僕はその事を想像しただけで、綿菓子に顔を突っ込みたいくらいに恥ずかしくなり、お尻の奥の方がずくんと疼いた。

そんな僕たちを少し離れた所から二人の男が見守っていた事を僕は知らなかった。

「いい加減に弟離れしろよ」
「うう……潤也が、俺の可愛い弟が……」
「もうあいつらヤっちゃってるよ、諦めろ。それにしても鳴海の奴は案外と気が長かったな」
そう言って保険医は潤也の兄の手を引いて、神社とは逆の方向に歩き出した。
「おい、祭りはあっちだぞ。何処連れて行く気だよ?」
「いい加減に弟離れしろって言っているだろ?俺だって溜まってるのっ」
最近全く構ってもらえなかった保険医が、とうとうキレて潤也の兄の冬馬に向かって怒り出した。
「悪い……和樹。これからお前の部屋に行こうか?」
だが保険医は聞こえないふりして、さっさと歩き出す。でもその脚は勿論自分の部屋の方に向かっていた。


「鳴海君、これ美味しいですよ」僕が見せた食べかけのチョコバナナを鳴海君が頬張る。そんな事がとても幸せだと思える。鳴海君はあとで食べるからと持ち帰りに、ヤキソバとお好み焼きを二人分ずつ注文している。お祭りも楽しいけど、僕も早く鳴海君と二人になりたいと考えていた。僕と鳴海君の考えが一致して良かった。
帰ろうという鳴海君と僕は並んだ。僕の嘘を見抜いているように鳴海君はゆっくりと歩いてくれていた。人が大勢いなければ手を繋いで歩きたいと思った事は鳴海君には内緒にするつもりだった。

「来年も一緒に来ような……」
「はい、でも来年は僕たちは大学生ですよ」
「大学生になっても、社会人になっても来ような……」
「……はい」
僕たちの背中で聞こえていたお囃子や人のざわめきが、だんだんと遠ざかって行く。
その分僕たちの距離は縮まりやがて二人の手が重なっていった。


          ―――「鳴海君と僕」おわり―――


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番外編 鳴海君と僕(読切)

 14, 2011 00:00
 初めて結ばれた時から、鳴海君は必死に受験勉強をした。僕と同じ大学に行きたいと言うから僕も嬉しくて、受験勉強に付き合った。
本当は僕も鳴海君と同じ大学に行くのなら、ランクをひとつ下げようかな?と考えもしたが、それは絶対兄が許さないのが分かっていたから断念した。

 僕たちが目指した大学は兄の母校でもある。兄は僕を大学の後輩にもしたかったのだ。普段はとびっきり甘い兄だったけど、こういう所は厳しい。

 そして僕たちは念願が叶って同じ大学に合格した。僕は法学部で鳴海君は残念ながら経済学部と学部は違ったけど、同じキャンパスを歩けるのならそれで良しとしようと思った。だって鳴海君が僕と同じ大学に合格したのは殆ど奇跡に近いんだもの。でもそれは本人には言わないけど……。

「潤也……」
鳴海君は、昼時になると必ず僕を探しにやってくる。僕の学部の女子も鳴海君が顔を出すと嬉しそうに迎えてくれる。僕はヤキモチを妬いてもいいのだろうか?
 でも、鳴海君とは秘密の関係だから大っぴらには妬けない。女子大生という甘い響きと化粧で、女子はどんどん綺麗になって行くように思えた。僕にはそういうオブラートは無い。ちょっと残念な気がするけど鳴海君は、どんな美人にも見向きもしないみたいだからそれでいい。

 僕だって大学生になり全然モテない訳じゃない。でもね、声を掛けてくるのは女子よりも男子が多いのはどうしてだろう。もしかして、僕が鳴海君とエッチな事をしているのを知っているのかな?でも残念ながら僕は鳴海君以外とエッチするつもりは無い。


 あのお祭りの夜から、僕と鳴海君は7回エッチした。大学入試が終わった夜に2回目をするまで、半年もかかった。大学生になっても、月に一度すればいい方だった。

 僕は記憶力に自信があるから間違いないと思う。でも鳴海君は足りないと騒ぐ。普通の恋人同士は少なくても1週間に1度はしていると鳴海君は言うけど、そのデータはどこのものだろう?
 それに僕たちは普通じゃないのを僕は知っている。

 普通エッチは男女間でするものだ。でも僕は鳴海君がいいから仕方ない。女子とエッチする事は想像できないし、した事もなかった。でも鳴海君は高校生の頃に女子としたんだ……ちょっと負けたような気がするけど僕は女子とする自信も勇気もなかった。

 学食で、昼食を食べた後鳴海君は確認するように言った。
「潤也、明日な」
 蕩けそうな笑顔を僕に向けてくれる。明日は鳴海君の誕生日で、僕は1日貸し切りにされてしまったのだ。
 大学も休み、外泊の許可も兄にもらった。僕は大学生になったのに相変わらず兄の監視下にある。文句を言っても負けるので僕は無駄な努力はしない事にしていたが、今回だけは一生懸命にお願いをしたのだ。

 でも、予想を裏切って兄は簡単に許可を出してくれた。僕も少しは大人になったと兄も認めてくれたのだろう。その日は朝から映画を観て、買い物をして食事をする予定だった。
僕は鳴海君みたいな蕩ける顔はみせなかったけど内心では凄く嬉しい。
お祭り以降勉強ばかりで外でデートしていない。

 デ、デート…なんだかドキドキしてしまう。
もし鳴海君にホテルに誘われたらどうしょう。自慢じゃないけど僕はホテルなんて行った事はない。あ…っ、男同士でホテルってのも変か?

 鳴海君への誕生日のプレゼントはもう決めてあるんだけど、僕は慎重だから本人に見てもらってから買うんだ。気にいらないと悲しいからね。


 そして運命のデートの日。あ…もとい鳴海君の誕生日。僕は結局普段と変わらない服装で待ち合わせの場所に行った。
「な、鳴海君……」
 僕の目の前に現れた鳴海君は、ちょっとラフな雰囲気のブレザー姿だった。普段より2割増し格好よかった。何だか普段着の自分が恥ずかしい気がした。

「潤也、待ったか?」
「ううん、さっき来たところ……どうしてそんな格好なの?」
「え……っと、大人のデートしようと思って」
「デ、デ、デ……」
「行こうか?」
 鳴海君は僕が口をパクパクさせている間に、僕の背を……まるで女性をエスコートするように優しく押した。何だか……鳴海君は狡い。自分だけ先に大人にならないで欲しい。

「どうした?映画始まるぞ」
「う、うん……」
 鳴海君と肩を並べて歩くと同級生には見えないかもしれない。体格差は歴然としていたけどそれだけじゃない。何だか自分が酷く幼く見えて恥ずかしかった。


 僕たちは、流行りの映画を観て昼食を食べ、鳴海君にプレゼントを買う為にショップへ行った。前から目を付けていた格好いい革の財布を僕がプレゼントすると鳴海君は凄く嬉しそうな顔をしてくれた。でも今日の格好にその財布は似合わない……それが何だか寂しかった。

 ひとつしか年が増えていないのに、今日の鳴海君は完全に大人の男に見えた。一気に3つくらい年が増えたみたいだ。
 計画していた予定をひとつずつ終わらせ、僕は鳴海君に都内のホテルに連れて行かれた。周りの友達がよく言うラブホという物では無かった。ベルボーイがいるような立派なホテルのエントランスで僕は小さくなって佇んでいた。鳴海君は、ちょっと待っていてと僕を置いてフロントに行ったからだ。

 暫くすると少し怒ったような顔で鳴海君が近づいて来た。
「行こう」
鳴海君は一言告げると、すたすたと歩き出すから、僕は慌ててその後ろを追いかける。何だか鳴海君の顔が怖い。


 エレベーターに乗り込んだ時には、周りに誰も居なかった。ほっと小さな息を吐く僕を鳴海君が笑った。その笑顔が大人っぽくて僕は少しだけゾクリとしてしまった。だけどそんな事を教えたらきっと鳴海君はつけ上がるから、僕はツンとそっぽを向いた。

 慣れた手つきでカードキーを差し込み、扉を開ける鳴海君をまた淋しい思いで僕は見ていた。
「潤也……」
だけど部屋に入るなり僕をぎゅっと抱きしめてきた鳴海君の声はいつもの、ちょっと焦った鳴海君だった。

「あー緊張したぁ!」
ぎゅっと僕を抱きしめた後に、鳴海君はそう大きな声で言い放った。
鳴海君は僕の手を引いて、ソファに座らせる。

「高そうなホテルだね……」
「あぁちょっとね。でも潤也と初めて外泊する時はきちんとしたホテルって決めていたから」
「鳴海く……ん」
ちょっとだけ感激した僕の前で鳴海君はブレザーを脱ぎ捨て、ソファの背に掛けた。
「兄貴のクレジットカード使ったからさ……」
ちょっと、恥ずかしそうに鳴海君は教えてくれた。
「だから、そんな格好で?」
「だってあの日以来だから、潤也と泊まれるなんて」

 鳴海君が言うのは、初めて鳴海君とエッチしたあのお祭りの日の事だ。それ以降エッチはしても僕は外泊する事がなかったんだ。急に鳴海君が可愛く見えてしまう。ちょっと大人っぽい格好をしていても中身は鳴海君のままだ。
「晩飯もルームサービスでいいよな?俺はずっと潤也とベタベタしていたい」
 鳴海君の言葉に少し恥ずかしくなったけど、今日は鳴海君の誕生日だ。僕は1日貸し切りにされているのだから文句など言えない、言うつもりもなかった。だって僕もベタベタしたかったから……

「鳴海君、誕生日おめでとう」
僕はソファに座り鳴海君と向き合って改めてお祝いの言葉を言った。
「ありがとう潤也。一緒に風呂入ろうか?」
「ふ、風呂……」
「俺、誕生日だし……」
 誕生日だと一緒にお風呂に入らないとダメなのかな?兄とは小さい頃一緒に風呂に入っていたから、去年一緒に入った時も恥ずかしくなかったけど、鳴海君とは少し恥ずかしい。今までエッチしても一緒に入った事はなかった。

「あ……」
 考えてみたら僕は、まじまじと鳴海君の裸を見た事がなかった。ちょっと興味はある。
「入るよな?」
「う、うん。僕が背中を流してあげる」
「ありがとう。俺も潤也の背中流したい。背中だけじゃないよ、全部俺が洗ってあげる」
「全部……全部はいい」
 僕は、鳴海君の言葉が恥ずかしくて、うんと言えなかった。だって全部って……全部だよね?どうしよう、緊張してしまう。
 高校を卒業して僕はもう委員長じゃないけど、あまり狼狽えるのも格好悪いから僕は平気な顔をして鳴海君の申し出を断った。

「俺、誕生日なのに……」
いつもは強気の鳴海君が、か細い声を出した。
「……今日だけだからね、今日だけ……」
「潤也、ありがとう」
途端にいつもの鳴海君の顔になって僕に礼を言う鳴海君だけど、洗ってもらうのは僕なのに礼を言われるのは変じゃないかな。



 僕は、格好悪くてもきちんと断れば良かったと後悔したのは、それから暫くして一緒に風呂に入った時だった。僕は当たり前だけど全裸で鳴海君に体を洗われていた、それも隅々までとても丁寧に洗ってくれる。お陰で僕は一生分くらいの羞恥を味わったんだ。
今も……鳴海君の指は、僕の……その……いつも鳴海君と繋がる場所を丁寧に洗っている。体を洗われて声を出すのも変だから、僕は必死に我慢しているのに、鳴海君は気づかないのか、お構いなしに綺麗にしてくれる。そろそろ解放してもらわないと僕はもっと恥ずかしい事になってしまう。

「な、鳴海君。あとは自分で……あん」
「ん?あとは何?」
 受験勉強は一生懸命にしたのに、人の気持ちを察する勉強はあまりしなかったからなのか、鳴海君は僕の言いたい事を全然分かってくれないみたいだ。それに残念ながら鳴海君は経済学部だ。
まあそんなに綺麗な場所ではないと思うけど、そこまで丁寧に洗わなくても……やっぱり、鳴海君は女の子がいいのだろうか。女の子だったらここまで綺麗にしなくても済みそうだ。なんだかちょっと気持ちが沈んで来てしまった。

「もう少し洗おうな」
 そんな僕の耳元で、鳴海君は追い打ちを掛けるように囁いた。
「う、うん……」
 同じ言葉をあと一回言われたら僕は泣くかもしれない。でも僕のそんな心境とは別に僕のささやかなペニスは鳴海君の指を喜んでいるみたいだった。節操なしめ。

「やあ―――ん」
鳴海君が指を増やし3本も僕の中に入れている。もう充分に綺麗になったんじゃないかな?って言ってもいいかな。

「な、鳴海君あの……」
「ああ、そろそろ挿れるよ」
「ええっ!?」
「え、だめ?だって潤也だってもうこんなだし、俺も大変な事になってる」
 鳴海君の言葉に僕は、そっと後ろを振り返った。ぎゃっと心の中で叫んでしまったのは内緒にしようと思う。そんな事を教えたら、きっと鳴海君が喜び過ぎるから。

 まだ返事をしていないのに、鳴海君は大きくなった自分のペニスを僕の後ろに宛がっていた。
「ああ……鳴海君、ここお風呂場なんだけど、あぁ……っ」
人の言葉は最後まで聞かないとダメだと後で教える事にするよ僕。

「潤也……凄くぬるぬるして気持ちいい」
「ああぁん」
僕も気持ち良くて、でも恥ずかしくて涙が出て来た。
「つらい?」
鳴海君が僕の涙に気づいて優しく声を掛けてくれた。侮れないね鳴海君。

「潤也ごめんな、俺早く潤也の中に挿れたくて焦っていたみたいだな、やっぱ抜こうか?」
「ち、違う。つらくないよ、何だか嬉しくて……」
「潤也……」
 僕の言葉を聞いて鳴海君のペニスがいちだんと大きく膨れたみたいだった。
「ああぁ……鳴海君の凄い」
「ほんと?じゃあ動いていい?」
 現金な鳴海君は、とっても嬉しそうな声で僕に確認してきた。でもまた僕が答える前に腰を大きく動かし始めた。やはり注意した方がいいみたい。

「はぁっ……あぁ……」
 恥かしいけど、鳴海君が腰を動かすたびに僕の口からは、はしたない声が漏れてしまう。浴室だからその声が響いて自分の声では無いように感じてしまい、僕の欲情に火を点ける。
「すごい潤也色っぽい」
 鳴海君の声も色っぽいから。

 僕は、いつのまにか浴室の壁に両手を突いて自分の体を支えていた。鳴海君は相変わらず僕の腰を掴み僕の中で暴れていた。
「潤也、気持ちいい?」
「気持ちいい……」
 僕は、鳴海君の問い掛けに答えるように腰をもぞもぞと動かした。僕のペニスが寂しそうにしている事に鳴海君が気づいてくれるように。
 でも、鳴海君の両手は僕の腰をしっかり捕まえたまま離れそうにない。

「鳴海くん……」そう甘えた後にもう一度腰を動かした。
「ん、気持ちいいよ俺も」
 そう言って鳴海君は、浅い所までペニスを引き抜き、そしてまた最奥まで突き上げる。
「あぁぁぁ」
 その感覚に頭の奥で火花が散ってしまう。気持ちいい、とっても気持ちいい。でも足りない。人の気持ちを察してくれない鳴海君にまた涙が出てしまう。もっと優しい大人になってもらわないと困る。


 ふっと体が軽くなった。鳴海君が抱き寄せるように僕の体を反転させた。
床に座った鳴海君の膝の上に座り、正面から向かい合った。僕はほっと安堵の息を吐いた。
「潤也、可愛い」
「鳴海君は格好いいよ」
 僕の言葉に鳴海君はとても優しい笑顔を向けてくれ、そして鳴海君の手は僕のペニスを優しく掴んだ。
「あぁ……」
 僕は気持ち良くて甘い声を出してしまった。期待していたと思われるかもしれない……。

 鳴海君は少し頭を下げて、僕の小さな乳首を舐め始めた。その間も右手は僕のペニスを離さない。
 優しく擦り上げられ、気持ち良くて死にそうだ。―――あ、逝った。

「潤也、可愛い」
 何か違う意味で言われたような気がする。やはり経済学部から違う学部に移る事を勧めようかな。

 でも僕は射精の気持ち良さに頭が朦朧としてきた。


 射精の気持ち良さだけでは無かったらしい、僕が意識を取り戻したのは、ベッドの上だった。薄目を開けた時に心配そうな鳴海君の顔が見えた。
「気がついた?」
「あ……」
 どうやら僕は浴室で逆上せて倒れたみたいだった。鳴海君が凄く不安な目をして僕を見ていた。
「ごめんな、潤也」
「大丈夫……」
 倒れたのは逆上せたのもあったかもしれないけど、僕が興奮していたせいでもあったと思う。でも それは鳴海君には内緒にする。鳴海君は、甲斐甲斐しく僕に水を持って来たり、冷たいタオルを持って来たりで忙しい。

「鳴海君、もう大丈夫だからこっちに来て」
「本当か?」
 やっと安心して、いつもの笑顔を見せてくれた。やっぱりこの笑顔が好きだ。

 鳴海君は僕の横に滑り込み、僕を胸に抱きしめてくれた。
「僕こそごめんね、もう大丈夫だから続き……して」
「いいよ、無理しなくても」
 僕たちのエッチの回数が少ないのは、きっと鳴海君が優しいからだと思う。
「無理じゃないよ、僕も鳴海君といっぱいエッチしたいから」
「潤也……」
 鳴海君は、感激したような声で僕を強く抱きしめて、キスしてくれた。
「鳴海君、好きだよ」
「俺も。来年も再来年も一緒に俺の誕生日を祝ってくれよな」
「うん、だから学部も変わらなくていいからね」
「ん?」
「ううん、何でも無い」僕の失言を追及しないのも好き。

「だから、早く……」
 僕は、そう言いながら鳴海君の下半身に手を伸ばした。ぎゃっと思ったのは又内緒にするよ。鳴海君大好き。





6000文字……前中後編にすれば良かったかな、とちょびっと後悔しました^^;

最後まで読んで下さってありがとうございます。
まだまだ、リハビリ中ですが少しずつ書いて行きます。


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