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お菓子な気持ち 8

 18, 2011 00:33
そして次に比嘉が目を覚ましたのは、10時。
隣でぐったり、いやぐっすりと眠っているはずの真琴の姿が見当たらない。
5分待っても戻って来ない真琴を浴室に探しに行っても居なかった。
クローゼットを開けると、スーツが1着見当たらない事に気づき、比嘉は慌てて身支度を整えた。

「いったいあの体で何処に?」
真琴の携帯に電話を掛けても、呼び出しはするが暫くすると留守電に切り替わる。
焦る心でネクタイを締め終えた時に、ドアが静かにノックされた。
「ルームサービスをお持ち致しました」
「はあ?頼んだ覚えはないが?」
「8時くらいにご連絡頂きまして、10時10分にお届けするようにとの事でした」
「……そう」

セッティングされる間比嘉はソファに腰を下ろし待っていた。
その朝食が2人分では無く、1人分である事に怒りすら覚える。
「くそっ……」
不機嫌な比嘉に一礼してボーイが退室した後、比嘉は一人苦い珈琲を口に含んで、今度は大きく溜め息を吐いた。


比嘉は広いスィートルームで、一人で食事をする事の味気無さを噛み締めながら、朝食を終えた。
そしてそのまま会社に向かった。
受付に顔を出し、社長代理の所在を確認した。
「社長代理は只今第一会議室で会議中で御座います」
どうして比嘉が知らないのか?などとはプロの受付嬢は尋ねては来ない事が、比嘉には救いだった。

全てが真琴の後手に回り、舌打ちをする思いで会議室に向かった。
真琴は比嘉が延期した予定を、全て元に戻したようだ。
比嘉が会議室の前まで行くと中から、課長部長クラスの社員がぞろぞろと出て来た。

比嘉は一礼して、会議室に入る。
バラバラと解散するメンバーの、一番中央の奥に真琴の姿を認め歩み寄った。
「真琴さん……」
「おや比嘉、予定通りだね」
比嘉の朝食の時間を考えれば、この時間に会社に到着し、真琴の目の前に現れる時間など容易に予測つくのだろう。

「あなたって方は……体は大丈夫なのですか?」
「体?大丈夫じゃないよ、こうして座っていてもお尻が痛いよ」
「……じゃあどうして無理をなさるのですか?」
「だって、仕事とプライベートは別でしょう?」
「仕事とプライベート……そんな事を言う資格が貴方にありますか?」
比嘉に惚れたと言って社長に圧力をかけ、ヘッドハンティングした当の本人に言われたくないものだ。


「それより比嘉?」
「はい、何でしょう?」
「僕を社長室まで運んで行ってくれないか?」
「歩けないのですか?だから言っているのに……」
「此処までは大丈夫だったんだけどね、比嘉の顔を見たら何だか痛みが増して来たみたい」
「それは申し訳ございませんね」
まるで事務処理をするように言う真琴が、腹立たしくて比嘉もつい乱暴な口を利いてしまっていた。

「それに、まだ比嘉のが中に刺さっているようで……」
「う……それは重ね重ね失礼致しました」
「戻ろう」
真琴に急かされて、比嘉は真琴の体を抱き上げた。

「少し熱いですね、熱がありますね?」
真琴の体に触れるとその熱さに比嘉は、驚いた。
「うん、熱っぽい。夕べ比嘉が激しかったからね」
「貴方は私を煽っているのですか?」
「違うよ、事実を言っているだけだ」
ベッドの中での可愛さは微塵も感じられない物言いに、比嘉も返す言葉が無かった。

「午後からのスケジュールを調整致します」
そんな事を語りながら、社員の視線を背中に浴び比嘉は言い訳するように「ちょっと熱が……」と誤魔化す。
秘書課の女性社員が「お医者様をお呼び致しましょうか?」と声を掛けてきたが「大丈夫、それより1時までは、誰も通さないで」と真琴は指示し、下ろされたソファの上に深く腰掛けた。

「時間ありますから、薬を飲んで少し眠って下さい」
発熱もそうだが、睡眠も充分に摂れていないはずだった。
「ありがとう、そうさせてもらうよ」
今まで強気だった真琴も流石に辛いのか、そう言うと目を閉じた。

比嘉は真琴の背広を脱がせ、ネクタイも緩め抜き取ってやった。
ネクタイを外した途端に、真琴のスィッチが切り替わったように思えたのは気のせいなのか、いつもの幼い顔が現れた。

「はい、薬飲んで下さい」
「うん……」
真琴は手渡された薬を飲んだ後、何か言いたそうに比嘉の顔をじっと見つめた。
「いかがなさいましたか?」
「あのね……薬塗って」
やはりネクタイを外した途端に、比嘉の知っている真琴に戻ったようだ。

「さて、どこに塗れば宜しいでしょうか?」
比嘉は口角を上げて、判らない素振りでそう聞いた。
「比嘉が苛めた所……ちょっと熱い」
「苛めたつもりはありませんが?」
「じゃ?可愛がった所?」

「では、見せて下さい。今薬を用意しますので」
比嘉はそう言ってから、棚にある救急箱の中を探り、塗り薬を探した。
比嘉が真琴の所に戻ると、もうズボンも下着も脱いだ真琴がワイシャツ1枚の状態で、ソファに座っていた。
その姿は冷静に振る舞っていた比嘉を煽るには充分過ぎたが、ここで態度を変える事は比嘉の秘書としてのプライドが許さない。

「見せて下さい」あくまでも冷静に言葉にした。
比嘉の言葉に真琴は、ソファに顔を埋めるような体勢で腰を突き出した。
まだワイシャツの裾で、その白く小振りな尻は隠れている。
比嘉がそのシャツの裾を捲ると、重力に従ってシャツは背中半分まで滑り落ちた。

その姿は比嘉の嗜虐心を煽るには、お釣りが来るほど充分過ぎた。
「塗りにくいですね、両手で拡げてもらえますか?」
そう言いながら真琴の手を引いて、白い尻に導いた。

さっき会議室から何か小言でも喰らったのか、営業部長が渋い顔で出て来たのを思い出した。
ああいう輩がこの姿を見たら何と言うだろうか?
そう思うと、比嘉は可笑しくて仕方なかった。

(だが、こんな格好を見るのは俺だけで充分だ)
いや、誰にも見せたくないというのが本音だと、比嘉自身は判ってはいるのだが、それを素直に認めるのも癪に障るものもあった。

暫し、両手で尻を拡げている真琴の恥ずかしい姿に、見惚れていた。
「比嘉ぁ……まだぁ?」
真琴の湿った声に、比嘉は現実に引き戻され、塗り薬の蓋を指で摘まんで開けた。


比嘉はチューブから多めの軟膏を指に取り、剥き出しになった真琴の尻の肉に触れた。
そしてその狭間を覗き込むと、思った以上に赤味を帯び腫れていた。
「ああ、ちょっと痛そうですね、今軟膏を塗りますから力抜いて下さい」
そう言うと比嘉は、指に着けた軟膏を真琴の蕾の周りに塗り始めた。

「つっ……」
「少し我慢して下さいよ。指挿れますから」
「えっ?いやぁーん」ぷつっと差し込まれた指の刺激に真琴は甘い声を上げた。
「こんな場所で誘わないで下さいよ」
「さ・誘ってなんか……はうっ」
比嘉の丁寧過ぎる指の動きに、真琴の腰は自然と揺れてしまう。

比嘉は時間を掛けて、艶々とした蕾を作り上げた。
「さあ、これで良いでしょう」
そう言うと比嘉は社長室に隣接している洗面所で、手を綺麗に洗って来た。
だが、真琴はまださっきの状態のまま腰を上げている。

「真琴さん、ズボン履いて下さい」
「え、あ・ああ……」
「あと30分くらい寝られる筈です。時間になったら起しますので、眠って下さい」
比嘉はクローゼットからブランケットを持って来て、真琴の体に掛けてやった。

真琴の体の状態が今どうなっているのか判っている。
だが比嘉はそんな真琴を残し、社長室を出て行く。
「比嘉ぁ……」
少し甘えた声を出したが、性欲よりも睡眠欲が勝り、そのうち真琴の瞼は自然と下りていった。

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